Inception(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Inceptionがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「開始/始まり」という意味で使用されます。
このinceptionが登場する場面の例としては,著作権(copyright)などの知的財産権(intellectual property right)の帰属について定めた条項が挙げられます。
例えば,動画やウェブサイトの制作委託などをする場合に,出来上がった成果物に関する著作権などの権利が委託者と受託者のどちらに帰属するかということが問題になります。
そのため,通常は契約書に著作権などの知的財産権がどちらの当事者に帰属するのかを記載しておきます。
こうした権利の帰属条項において,inceptionという用語が登場することがあります。
その他条項に例えば…from its inceptionというように書かれていた場合,「最初から(原始的に)」という意味を表しています。
つまり,委託者又は受託者に,最初から/原始的に著作権などが帰属するということを定めたいために,このinceptionという用語を使用しているわけです。
当然ですが,著作権等の知的財産権が取引において発生する場合,その権利がどの当事者に帰属し,その後の取り扱いはどうなるのか(相手方は使用許諾を受けられるのか)などは重要なテーマです。
とりわけ,国際取引においては,どの国の法律が適用されるのかという問題が絡み,権利の帰属がどのようになるのかが不明確になったり,複雑になったりしがちです。
したがって,事前に当事者間でよく話し合い,契約書に権利の帰属と,権利の取り扱いについて契約書に明確に記載しておくようにしましょう。
※また左側メニュー下のサイト内検索に英文契約書用語を入れて頂くと解説記事を検索できます。
英文契約書の作成・チェック・翻訳・修正サービスについてはお気軽にお問合せ下さい。