英文契約書の相談・質問集363 販売店から販促費全額を先払いで負担して欲しいと言われています。

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「販売店から販促費全額を先払いで負担して欲しいと言われています。」というものがあります。

 日本のメーカーが海外に商品を輸出して現地販売店に販売展開してもらうという場合によく締結されるのが販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)です。

 この販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を締結しようと,メーカーが現地の販売代理店と交渉していたところ,販売店側から「まだその商品が売れるかわからないので,マーケティング費用を前払いで全額負担して欲しい。そうしてくれれば絶対に利益が出る」などと言われることがたまにあります。

 一般的には,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)においては,販売店が自らマーケティング費用を負担し販売展開を担うと言えます。

 あくまで,販売店は商品を仕入れ販売する際に生じる利ざやで利益を上げるのであり,販売にかかる販管費等は自ら負担するのが筋だからです。

 それなりにあるケースとしては,TVコマーシャルや展示会などそれなりにまとまった販促コストがかかるような宣伝広告を行う際に,メーカーと販売店が協議の上折半するなどの取り決めです。

 これに比べると,取引開始前からメーカーが販促コストを全額前払いするというのはいかにメーカーに不利だということがわかるかと思います。

 もっとも,それぞれの国には商売における慣習のようなものがあります。

 そのため,国によっては最初からメーカーが販促費用などを全額負担し,売れることがわかれば,販売店が商品を仕入れるという交渉をしかけてくることもたまにあります。

 メーカーとしては,基本的にはこのような条件を飲むことには慎重になるべきでしょう。

 そもそも販促費用の前払いというのが,場合によっては詐欺的な話である可能性も否定できませんし,コストを先出しして後で回収できるか,リスクリワードが合わないことが多いでしょう。

 また,コストを先出ししたあとに,どのような条件で販売店に商品の購入を義務付けるか,英文契約書に記載することも非常に難しいでしょう。

 特に海外取引では,先にお金を払ってしまって,あとで条件違反があったから返金しろと言ってみても,実際には回収が非常に難しいです。

 もちろん,英文契約書や覚書を使用して,条件を取り決めるのですが,違反があった場合に素直に返金に応じる企業ばかりではありません。

 そうしたときに,法的手続きによる回収は,国内の場合に比べて海外では非常にハードルが高くなります。

 したがって,そもそも先にお金を払って,あとで返金を求めるかもしれないというシチュエーションそのものを避けることが何よりも大切なのです。

 まとめますと,そもそも最初からマーケティング費用をメーカーが全額持つというような提案は相当にメーカーに不利なためあまりあることではないことを理解しておく必要がありますし,そのような提案を受けたらそれを受け入れるのは慎重になるべきだと思います。

 もし受けるとしたら,どのような条件でそのコストを負担するのか,かなり詳細に取り決め,英文契約書に落とし込んでおく必要があるでしょう。

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