「品質は口頭で伝えている」「知財は当然こちらのもの」——その認識だけでは防げないOEM/ODMトラブルがあります

OEM/ODM製造委託契約(Manufacturing and Supply Agreement)は,品質管理・知的財産権の帰属・模倣品製造禁止・為替リスクなど,署名前に設計を誤ると後から取り返しのつかないリスクになる条項が集中しています。特に海外メーカーへの委託では,自社仕様を基に模倣品を作られる・知財を海外で勝手に登録されるといったトラブルが実際に起きています。

こんな企業・方からのご相談をお受けしています

・海外メーカーにOEM・ODM製造を委託する際の英文契約書を作成したい方
・相手方から届いた Manufacturing Agreement の内容を確認・修正したい方

・品質保証・製造物責任・知的財産権の帰属に関する条項を確認したい方
・製造委託先の秘密保持義務・競業禁止義務を契約書に適切に盛り込みたい方

 

 

OEM と ODM の違い——契約設計に影響する重要な区別

OEM(Original Equipment Manufacturing)

委託者が設計・仕様を提供し,受託者はその仕様に従って製造するだけ。知的財産権は委託者に帰属するのが原則。設計情報の秘密保持が最重要課題。

ODM(Original Design Manufacturing)

受託者が設計・デザインも担当し,委託者ブランドで製造。受託者が設計した部分の知的財産権の帰属が争点になりやすい。契約書での知財帰属条項が特に重要

 

 

⚠️ OEM/ODM Manufacturing Agreement の8つの注意条項

委託者・受託者いずれの立場でも,以下の条項は署名前に専門家による確認が不可欠です。

① 独占権(Exclusive)の付与

委託者としては,受託者に独占的(Exclusive)な製造権を与えないことが原則です。独占契約にすると,受託者のパフォーマンスが不十分でも他の製造委託先に切り替えられなくなります。非独占(Non-Exclusive)であることを明記し,複数の製造委託先を確保できる設計にしておくことが,委託者のリスク管理の基本です。

② 品質確保・品質管理(Quality Control)

「通常備えるべき品質を維持する」という抽象的な規定だけでは不十分です。委託者が受託者の工場に立ち入って品質検査できる権限(Audit権限),品質基準・仕様書(Specification)の添付,定期報告義務を契約書に明記することが重要です。品質管理条項が弱いと,不良品が出た後の対応協議が「言った・言わない」になります。

③ ライセンス許諾(License)

製造に必要な特許権(Patent)・技術情報(Know-how)・商標(Trademark)のライセンス条件を明確に定める必要があります。「製造目的に限定した使用許諾」であること,ライセンスの範囲・期間・再許諾の可否を具体的に記載しないと,受託者が許諾範囲を超えて技術を使用したり,第三者に再許諾するリスクがあります。

④ 発注・受注の方法と受注義務

基本契約(OEM Agreement)を締結しても,個別発注に対する受注義務が明記されていなければ,受託者が「その発注は受けられない」と拒否することが可能になってしまいます。委託者が発注した場合,受託者は合理的な理由がない限り受注しなければならない旨と,受注拒否した場合の違約金・損害賠償条項をセットで規定することが重要です。

⑤ 為替リスク(Currency Risk)

海外製造委託では,取引通貨の選択と為替変動リスクが直接コストに影響します。契約締結時の為替レートから一定幅を超えた変動が生じた場合に価格を再協議できる条項(Price Adjustment Clause)を設けておかないと,急激な円安・相手国通貨高で製造コストが大幅に上昇しても価格改定の法的根拠がなくなります。

⑥ 品質不良時の措置(Remedy for Defects)

受託者の製造品に欠陥・品質不良があった場合に,委託者がとれる措置(Remedy)を具体的に規定しておかないと,「どちらの費用で対処するか」で揉めます。①無償再製造(Replacement),②代金減額(Price Reduction),③返品・返金(Return/Refund),④損害賠償(Damages)のどの組み合わせを委託者が選択できるかを明確にする必要があります。

⑦ 知的財産権の帰属(IP Ownership)

OEM/ODM契約において最も重要な条項のひとつです。委託者が提供した仕様・設計に基づく製造品,および製造過程で生じた改良・派生技術の知的財産権はすべて委託者に帰属することを明記し,受託者はこれに異議を申し立てないと規定することが必須です。特にODMでは受託者が設計した部分の帰属が争点になるため,開発段階から権利の取り決めをしておく必要があります。

⑧ 模倣品・競合品製造禁止(Anti-Counterfeiting)

受託者が委託者の仕様・技術を使って模倣品・類似品(Similar Products)を製造し第三者に販売するリスクは,特に中国・東南アジアへの委託で現実に起きているトラブルです。製造できるのは委託者への納品分のみとし,超過製造品の廃棄義務,類似品・競合品の製造禁止,違反時の高額違約金条項をセットで規定することが委託者保護の要です。

⑨ 秘密保持義務・競業禁止条項(NDA / Non-Compete)

委託者が提供する設計図・仕様書・技術情報・製造プロセスは,受託者にとって極めて価値ある情報です。製造委託契約とは別に,または契約内で秘密保持条項(Confidentiality Clause)を設け,委託者の技術情報を第三者に開示・使用することを禁止することが不可欠です。また,契約終了後も一定期間,競合品の製造受注を禁止する競業禁止条項(Non-Competition Clause)も,委託者の技術・ブランドを守るために重要です。

 

 

当事務所のサービス内容

英文契約書の作成・レビュー・翻訳に特化した弁護士が,OEM/ODM製造委託契約に関して以下のサービスを提供しています。

英文契約書の作成・ドラフティング

知財帰属・模倣品禁止・品質管理・秘密保持を適切に盛り込んだ,委託者の立場を守る Manufacturing and Supply Agreement を一から作成します。OEM・ODMどちらにも対応します。

英文契約書のレビュー(相手方ドラフト)

相手方から送られてきた Manufacturing Agreement の内容を精査し,知財・品質・秘密保持上の不利な条項・曖昧な条項を特定してレポートします。修正案(Redline)の作成も対応します。

日英・英日翻訳

製造委託契約書の日英・英日翻訳を,法的ニュアンスを維持した形で行います。翻訳のみのご依頼も承っています。

交渉サポート・契約スキームの選択

OEM・ODM・委託製造・ライセンス生産のどのスキームが自社に適しているか,ビジネスモデルやリスク許容度に応じてアドバイスします。

 

 

OEM/ODM Manufacturing Agreement に弁護士が必要な理由

知財を守らないと模倣品が出回る

特に中国・東南アジアへの委託では,委託者の仕様・技術を基に模倣品を製造・販売されるトラブルが実際に起きています。IP帰属条項・模倣品禁止・高額違約金をセットで設計する専門家が必要です。

OEMとODMで条項設計が変わる

OEMは委託者設計・ODMは受託者設計という違いにより,知財帰属・ライセンス条件・改良発明の取り扱いが根本的に異なります。どちらの形態かを正確に把握した上での契約設計が必要です。

品質不良時の対応を事前に決めておく

品質仕様書・Audit権限・不良品対応措置(再製造・返品・損害賠償)が契約書で明確でないと,不良品発生時に費用負担をめぐる長期紛争になります。

為替リスクと受注拒否リスクへの備え

円安・現地通貨高への価格改定条項,受注拒否時のペナルティ条項がないと,コスト上昇局面で交渉力を失います。これらを最初から盛り込んだ設計が必要です。

 

 

よくある質問(FAQ)

Q. OEM契約・ODM契約・Manufacturing Agreement・製造委託契約書はすべて同じですか?

A. 同種の契約を指す表記です。「OEM Agreement」「ODM Agreement」「Manufacturing Agreement」「Manufacturing and Supply Agreement」「OEM Contract」「製造委託契約書」はいずれも製造を外部に委託する際の契約書を指します。ただしOEM(委託者が設計を提供)とODM(受託者が設計を担当)では知財帰属・ライセンス条項の設計が根本的に異なるため,どちらの形態かを正確に把握した上で契約書を作成・確認することが重要です。

Q. OEM/ODM契約で知的財産権(IP)はどちらに帰属しますか?

A. OEMの場合,委託者が設計・仕様を提供しているため,その仕様に基づく製品・技術の知的財産権は委託者に帰属するのが原則です。ODMの場合,受託者が設計した部分の知財帰属が争点になりやすく,「製造過程で生じた改良・派生発明も含めてすべて委託者に帰属する」旨を明示的に定める必要があります。定めがないと受託者が知財権を主張し,後から高額なライセンス料を要求するケースもあります。

Q. 海外OEMメーカーに模倣品を製造・販売されないための条項はどう設定すればよいですか?

A. 有効な対策として,①製造できるのは委託者への納品数量のみとし超過製造を禁止する条項,②類似品・競合品の製造・販売禁止条項(Non-Compete),③秘密保持条項(NDA)による設計情報・仕様書の外部流出禁止,④違反時の高額違約金条項(Liquidated Damages)——をセットで規定することが重要です。また,委託者が工場を立ち入り検査できるAudit権限も,抑止力として有効です。

Q. OEM/ODM製造委託契約書の品質管理条項に盛り込むべき内容は何ですか?

A. 品質管理条項には,①仕様書(Specification)・品質基準書(Quality Standards)を契約の別紙として添付すること,②委託者による工場立ち入り検査・Audit権限(定期・抜き打ち),③出荷前の品質検査(Inspection)手続きと合否判定基準,④不良品・欠陥品が発生した場合の対応措置(無償再製造・返品・損害賠償),⑤製造物責任(PL)保険の付保義務——を盛り込むことが一般的です。

Q. 英文OEM/ODM Manufacturing Agreementの作成・リーガルチェックの費用と納期はどのくらいですか?

A. 契約書の内容・ページ数・作業内容(作成・チェック・翻訳)によって異なります。見積り依頼から当日または翌営業日中に回答します。正式ご依頼まで料金は発生しません。契約書を添付してお問い合わせいただければ,内容を確認した上で正確な見積もりをお伝えします。

 

 

【注意事項】本ページの内容は一般的な解説を目的としており,個別の案件に対する法的アドバイスではありません。OEM/ODM製造委託契約の内容は取引の態様・相手国の法律によって大きく異なります。実際の契約書の作成・審査にあたっては,必要に応じて現地の弁護士にもご相談されることをお勧めします。

弁護士 菊地正登

OEM/ODM Manufacturing Agreement(製造委託契約書)
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