「英文契約書のポイント」Mitigation of Damages(ミッティゲーション・オブ・ダメージズ)について説明します。

 

 「損害の軽減」と訳されるもので,この概念そのものは日本法にはありません。

 

 ただし,日本法においても,裁判所の判断により,損害が生じ続けることを認識しつつ,損害を蒙っている当事者が,その損害の発生について何も対処せずに,いたずらに損害を拡大させた場合には,「条理」等によって損害賠償の範囲を狭められる可能性はあります。

 

 したがって,日本法にMitigationの概念そのものが存在しないからといって,損害軽減措置を取らなくても問題ないということではないので,その点は注意して下さい。

 

 ちなみに,Mitigationの動詞はMitigateで,「(損害を)軽減する」という意味で使われます。

 

 これは,契約違反により損害を被った当事者は,損害の拡大を防止する義務を負い,これを怠った場合には,拡大した損害についての賠償額が減額されるというものです(Brace v Calder [1895] 2 QB 253など)。

 

 もっとも,mitigation of damagesは,損害拡大防止のために積極的なあらゆる措置を施す義務を当事者に課すものではなく,合理的な範囲の義務を課すものとされています。

 

 例えば,輸送中の保管方法に問題があり果物が傷んだという事例を想定します。この傷んだ果物の輸送を受けたものが,何らの措置も取らずそのまま放置して全て腐らせたというようなときに問題になります。

 

 このような場合に,「受領者側が損害拡大防止のために取り得る手段は取りなさい。そうでなければ,損害が拡大した場合,拡大分についての賠償額は減額されます。」という理論です。

 

上記の例の場合,引渡しを受けた地域や果物の傷みの程度にもよるでしょうが,可能であれば安価で転売するなどしなければならない場合があるでしょう。

 

 なお,損害軽減措置を取らなければ,損害賠償請求ができなくなるということではなく,減額される可能性があるというに過ぎない点には,注意が必要です。

 

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