英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語の一つに,As per..., pursuant to...があります。
As per.../Pursuant to...は,英文契約書で使用される場合,「…により,…に従って」という意味です。
例えば,「as per Article 5」というのは,「第5条に従って」という意味を表します。
文章としては,Seller shall...as per Article 5(第5条に従って…する義務がある)などという表現で使われます。
Pursuant to...も同じような用法で英文契約書ではよく使われます。
例えば,In such case, the Distributor shall be entitled to the Compensation pursuant to Article 11 hereof(その場合,販売店は本契約11条に従って補償金を得る権利を有する)などと使用されます。
Subject to…も同様の意味で使用されることがあります。
ちなみに,as per...やpursuant to...の用語解説とは関係ないのですが,契約書中にpursuant to Article 5のように条項を引用・参照することがあります。
このような場合,契約書を修正しているときに,条項番号がずれてしまっているのに気づかずに引用している条項番号を修正するのを忘れてしまうことがよくあるので,注意しましょう。
例えば,契約書にpursuant to Article 5という表現がある場合に,4条を削除したとすると,もともとの5条が4条に繰り上がります。
そのため,もともとpursuant to Article 5となっているところを,pursuant to Article 4に変更しなければならないのですが,忘れてしまうことがあるのです。
このような失念を防ぐためには,上記の例で4条を削除する際に,そもそも番号を削除せず,Article 4 Intentionally Omitted.として,4条の本文だけを削除することをおすすめします。
これでも,4条の内容は削除されたことになりますし,修正方法としては問題ないです。
こうすることで,5条は5条のままですから,pursuant to Article 5の番号を修正する必要はなくなるわけです。