【英文契約書Agency Agreement(販売店契約)】のリスク診断シート(エージェント側)

agreement-application-business-893894.jpg

 Agency Agreement(販売店契約)は,ご依頼頂く英文契約書類型の中でもっとも多い契約書の1つです。

 

 この代理店契約のリスクについてチェックリストを下記に記載します。まずは,日本の企業が海外から代理店として指名を受ける場面(日本企業が代理店側)を想定し,リスクチェックをします。

 

 答えが「はい」となりチェックされる項目が多いほどリスクが高いと考えて良いと思います。

  • 取扱商品がリスト化されているが,それらの改良版や当該ブランドの周辺ブランドが含まれているのかどうか明記されていない
  • 代理店業務のエリアが国内の狭い範囲に限定されている。
  • 総販売代理店として独占権を付与されているが,売主が代理店を介さずに直接対象商品を売却できるのかについて書かれていない
  • 総販売代理店契約とされているが,売主が直接顧客等に得ることが許されている。しかし,仮に売主が直接顧客に売却した場合の取り扱いについては記載がない
  • 代理店が二次代理店を指名して商品販促をして良いかどうかについては記載がない
  • 代理店が営業をかけた結果,顧客が対象商品を注文することになった。どこまで代理店が介在するのかが不明確である
  • エージェントはあくまで代理店であって,対象商品の売買契約の当事者にならないという明確な規定がない
  • 代理店の営業によって顧客から発注があっても,売主は何らの制約なく注文を拒絶できると書かれている。
  • 売主の売掛金回収に代理店が協力すると規定されているが,売掛の回収リスクを売主が負担するという明確な規定がない
  • 顧客から対象製品などについてクレームが入った場合に,代理店が対処すると規定されているが,最終的な責任がどちらにあるのか,クレーム対処の費用はどちらが負担するかなどについて規定がない
  • 代理店として,他の商品も取り扱っているところ,本契約では,競合品を取り扱ってはならないと規定されており,競合品の定義があいまいでよくわからない
  • コミッションの支払いがパーセンテージで表示されているが,販売価格を基準にするのか,粗利を基準にするのかなど,基準があいまいである
  • コミッションが発生するために,代理店がどのように影響を与えた取引であれば良いのかが書かれていない,または,あいまいである
  • 代理店契約が終了した場合でも,代理店の過去の営業行為が功を奏して取引成立となる可能性があるが,契約終了後どこまでの取引成立がコミッションの対象となるのか書かれていない
  • 代理店に展示会などへの出展義務が課されているが,その費用については全額代理店負担とされている。
  • 代理店契約の契約期間が極端に短い
  • 代理店の営業行為により成立する取引の数や金額にノルマが課されている
  • 代理店契約期間中も売主側から一定期間の予告通知をすれば,自由に解約できるようになっている。
  • 売主が代理店契約の更新拒絶や,解約をした場合のペナルティについて規定がない
  • 対象商品が他人の特許権,著作権,商標権などの知的財差権を侵害していたことが発覚し,代理店が訴訟提起を受けたような場合に,売主が補償するなどの条項がない

 

 参考になれば幸いです。もちろん,リスクがある条項の数だけで契約書の安全性が図れるわけではありません。実際にはリスクの程度の問題もありますし,現実的に問題となるのという現実性も考慮に入れなければなりません。

 

 また,交渉ではバーゲニングポジションにより譲歩すべきところもありますし,反対に,譲れないという条項も存在します。

 

 したがって,実際の契約ではこのような観点から多角的にリスクチェックを行う必要がありますから,本リスク診断はあくまで一般的にリスクがあるとされている条項を洗い出すという意味での参考程度に留められるようお願い致します。

 

※決して本チェックリストを利用して契約実行の判断などをしないようにお願いします。そのような意図で作成したものではなく,仮にそのような利用をされて問題が発生しても当方は何ら責任を負うものではないことをご了承下さい。

IMG_6603 resized 2.jpg

 

 英文契約書の作成,チェックなどのサービスに関するお問合せ,見積依頼はこちらからお気軽にどうぞ。

 

 メール・電話・Web会議で対応可能です。正式にご依頼頂くまでは料金は一切かかりません。

 

 原則として,当日,遅くとも1営業日以内(24時間以内)に折り返しご連絡させて頂いております。

お問合せ・ご相談はこちら

 お問合せフォーム・電話・メールでお問合せ頂けます。

 お問合せフォーム・メールでのお問合せがスムーズです。

 

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-6453-6337

担当:菊地正登(キクチマサト)

受付時間:9:00~18:00
定休日:土日祝日

※契約書を添付して頂ければ見積回答致します。
受付時間:24時間

 英文契約書の作成・翻訳・リーガルチェック(全国対応),実績多数の弁護士菊地正登です。弁護士22年目(国際法務歴15年),約3年間の英国留学・ロンドンの法律事務所での勤務経験があります。英文契約・国際取引の専門家として高品質で迅速対応しています。お気軽にお問合せ下さい。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

03-6453-6337

<受付時間>
9:00~18:00
※土日祝日は除く

弁 護 士 情 報

弁護士  菊  地  正  登
片山法律会計事務所

東京都港区芝5-26-20
建築会館4F
tel: 03-6453-6337
email: kikuchi@mkikuchi-law.com

片山法律会計事務所

住所

〒108-0014
東京都港区芝5-26-20
建築会館4F

アクセス

都営三田線・浅草線三田駅またはJR田町駅から徒歩約3分です

受付時間

9:00~18:00

定休日

土日祝日

 弁護士インタビュー動画

書  籍

士業・翻訳業者・保険会社・金融機関の方へ

各士業の先生方,翻訳業者,保険会社,金融機関のお客様の英文契約書に関する案件についてお手伝いさせて頂いております。

ご紹介頂いたお客様の初回相談料は無料ですので,お気軽にお問合せ下さい。

ご相談方法

メール・電話・Web会議・対面の打ち合わせによる対応を行っております。

サイト内検索 - 英文契約書用語の検索ができます -