英文契約書の条項の修正例3(Minimum Purchase Orders)(最低注文数量条項)

 

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 英文契約書によく登場するMinimum Purchase Orders(Quantity)(最低注文数量条項)(ミニマム・パーチェス・オーダー),Minimum Purchase Amount(最低購入金額)(ミニマム・パーチェス・アマウント)を検討,修正する際のポイントについて記したいと思います。 



 このMinimum Purchase Orders(Quantity)(最低注文数量条項),Minimum Purchase Amount(最低購入金額)は,単純に「ミニマム」と呼ばれたり,「ノルマ」と呼ばれたりもします。



 ミニマムについてはこちらの記事でも解説しています。



 例えば下記のように英文契約書に登場します。 



 "The minimum purchase orders (“Minimum Purchase Orders) shall be the purchase amount of the Products equal to fifty thousand U.S. dollars ($50,000.00).  Distributor shall take delivery and pay for not less than the Minimum Purchase Orders in each quarterly period.  In the event that Distributor fails to attain the purchase of the Minimum Purchase Orders for any such period, Supplier may immediately terminate this Agreement, by providing written notice to Distributor."

 

 

 上記の和訳は「最低購入注文額(以下「最低購入注文額」といいます)は,製品の購入金額が50,000米ドル(50,000.00)に相当する額とする。販売店は,各四半期毎に最低購入注文額を下回らない範囲で納品を受け,代金の支払いを行うものとする。 販売店が最低購入注文額を達成できなかった場合,サプライヤーは販売店に書面で通知することにより,本契約を解除することができる。」となります。

 

 

 つまり,四半期に最低でも5万米ドル以上の注文を続けないと,サプライヤーに,販売店契約を解除されてしまうというリスクが販売店側にあることになります。

 

 

 Exclusive(独占)販売権を与える販売店契約によく見られる条項です。



 サプライヤーとしては,独占権を与えているため,その地域では他の販売店を指名できません。



 このリスクを負う代わりに,一定金額以上の注文をさせるという意味合いです。



 サプライヤー側にとっては,利益を確保するために重要な条項であるため,販売店が当該条項の修正を求めても,簡単には応じないという場面が多いでしょう。

 

 

 変更案はいくつか考えられます。

 

  数量を低くする

 

 簡単ですが,最もわかりやすい修正要求です。Minimum Purchase Ordersの数を低減する方法です。

 

 

 大幅な低減要求は難しいでしょうが,修正案の一つではあります。

 

 

  期間を長くする

 

 上記例では,each quarterly periodとされていて,四半期に50万米ドルですが,これを例えば,半期に100万米ドルしてもらうなどの変更案です。

 

 

 長期にした方が,注文数をコントロールしやすい,取扱商品が季節によって売れ行きに相当の違いがあるような場合に有効な変更案といえるでしょう。

 

 

  商品の導入期は外す

 

 商品が売れだすのは,導入期を過ぎて,商品の機能や価値が顧客に理解されるようになってからのため,導入期の最低注文終了は,販売店に重くのしかかってきます

 

 

 そのため,例えば,下記の修正案のように,初年度は,最低注文数量を外してもらうなどの対策が考えられます。

 

 

 "The minimum purchase orders (“Minimum Purchase Orders) shall be the purchase amount of the Products equal to fifty thousand U.S. dollars ($50,000.00).  Distributor shall take delivery and pay for not less than the Minimum Purchase Orders in each quarterly period.  In the event that Distributor fails to attain the purchase of the Minimum Purchase Orders for any such period, Supplier may immediately terminate this Agreement, by providing written notice to Distributor. Notwithstanding the above, this Article XX shall not apply to the Initial Term and shall apply to the subsequent terms."



 赤字部分の和訳は「上記にかかわらず,本第XX条は,当初の期間には適用されず,その後の期間に適用される」となります。



  拘束力を無くす


 これは,なかなか認めてもらえないでしょうが,最低注文数量については,目標値とし,違反があってもペナルティはない,つまり契約上の拘束力を除去してしまう方法です。



 例えば,下記のように,あくまで予測値であり,法的拘束力がないと記載します。



 "The minimum purchase orders (“Minimum Purchase Orders) shall be the purchase amount of the Products equal to fifty thousand U.S. dollars ($50,000.00).  Distributor shall use reasonable efforts to take orders for not less than the Minimum Purchase Orders in each quarterly period; provided that the Minimum Purchase Orders shall be a forecast only and shall not be binding on the parties."  



 上記の第2分の和訳は「販売店は,各四半期毎に最低購入注文額を下回らない範囲で注文を受けるように合理的な努力をするものとする。ただし,最低購入注文額は予測に過ぎず,当事者を拘束するものではない」となります。



  違反時の効果を変更する


 上記例では,販売店が最低注文数量条項に違反した場合,サプライヤーは,即時に販売店契約を解除できるとしています。



 この契約解除という制裁は,販売店にとってかなり重い制裁になります。



 そこで,この制裁を軽くするように変更要求することがあります。



 例えば,下記の例のように,独占権を停止したり,奪われる可能性があるという制裁に留め,商品の取り扱い自体は可能にしておき,交渉をしやすくしておくという修正案が考えられます。



 "The minimum purchase orders (“Minimum Purchase Orders) shall be the purchase amount of the Products equal to fifty thousand U.S. dollars ($50,000.00).  Distributor shall take delivery and pay for not less than the Minimum Purchase Orders in each quarterly period.  In the event that Distributor fails to attain the purchase of the Minimum Purchase Orders for any such period, Supplier may suspend or terminate the exclusivity of Distributor's distribution right under this Agreement, by providing written notice to Distributor, with immediate effect. " 



 上記の赤字部分の和訳は「サプライヤーは,販売店に書面で通知することにより,本契約に基づく販売店の販売権の独占権を中断または終了させることができ,その効力は即時に発生するものとする」となります。



 他にも検討事項はありますが,代表的なところを挙げてみました。参考になれば幸いです。


 

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