英文契約書の相談・質問集1 どこにサインすればよいのでしょうか。
英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「どこにサインをすればよいのか。」という質問があります。
通常,英文契約書の最後のページなどに,By:________,Signed by:__________,Signature:______などの欄が設けられています。
これらの下線部分にサインをすることになります。
英語でサインするように指示がされていなければ,日本語のサインをしても通常問題はありません。
サインはその人であるということを証明する手段ですので,特定の言語でなければならないということではないからです。
もっとも,Printed Nameという欄には英語表記で名前を書くのが通常ですので,英語でサインするのが一般的といえます。
なお,Printed Nameというのは,Masato Kikuchiのように日本語でいうところの楷書に相当する文字で,サインのように崩したりせずきちんと読める文字で書くことを指します。
繰り返しますが,サインは本人であることを確認できるようにするIDの役割を果たすことが主たる役割です。そのため,読める必要はありません(読める必要があるのはPrinted Nameの方です。)。
また,あるページを抜いたり,差し替えたり,挿入したりすることを防止するため,サイン欄以外のページにイニシャルサインをすることも多いです。
例えば,私の場合,Masato Kikuchiですので,MKというイニシャルで,全ページの下部にサインします。
相手方にも同じようにしてもらいます。
なお,契約書の全ページにイニシャルサインをする者は,必ずしも契約書の署名者とは限りません。
契約書の署名者は最終決裁権者がなり,イニシャルサインをするのは,契約交渉を実際に担当したものが行うこともあります。
イニシャルサインの目的は,契約交渉の内容が契約書に反映されていて,それを差し替えたりできないようにすることですので,署名権限者が行わなければならないものではないからです。
これに加えて,ページ表記を,例えば,10P/12Pなどとして,全体が何ページで構成された契約書であるかがわかるようにすることが多いです。
ちなみに,日本では時折行われる契約書の袋とじもページの不正挿入を防止できますが,国際取引の英文契約書で袋とじが行われるケースはそう多くありません。
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