Set out(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Set outがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「規定する/定める」という意味で使用されます。
他に,set forth,provide forやstipulateも同様の意味で用いられます。
これらの用語も和訳すると「規定する/定める」となります。
例えば,set outが英文契約書で使用される場合,Buyer will purchase the Products in accordance with the terms and conditions set out herein.(買主は本契約に定める条件に従って本製品を購入する。)などとして,使われます。
上記のset outをset forthやstipulateに置き換えても同じ意味を表すことができます。
Set outという用語が出てきた場合,どのような内容がどこに規定されるのかが書かれていることが多いので,この点をチェックすることが大切です。
ビジネス上重要な内容が個別契約(induvidual contract)に規定されると書かれていたり,利用規約(terms of use)に規定されていると書かれていたりします。
これらの場合,その契約書を見ても,それ以上のことは書いておらず,あとは個別契約書や利用規約を検討する必要があるということになりますので,注意しましょう。
英文契約書で使われる頻度としては,set outよりもset forthの方が多いように思います。
これは,アメリカ英語で作られた契約書がset forthを使用し,イギリス英語で使用された契約書がset outを使用する傾向にあることが影響しているのかもしれません。
英国の他,旧イギリス領などでは,set outという表現を用いることが多いようです。
アメリカ英語とイギリス英語はどちらを使用しても問題はないですが,誤解を避けるために,1つの英文契約書の中ではどちらかの英語に統一することは必要でしょう。
Set forthかset outかなどの他にも,アメリカ英語とイギリス英語の違いはいくつかあります。
代表的なものは,綴の違い(例:ProgramかProgramme)や日付の表し方の違い(例:April 1st 2019か1st April 2019)などが挙げられます。
これらもどちらかで統一的に使用することを心がけましょう。