英文契約書の相談・質問集9 契約書のドラフトは売主・買主のどちらが作るのでしょうか。
英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「契約書のドラフトは売主・買主のどちらが作るのでしょうか。」というものがあります。
もちろん,どちらが作っても問題はありません。しかしながら,やはり自社で作成したほうが有利な内容を作れるので,極力自社で作成したほうが良いでしょう。
ただ,バーゲニングポジション(どちらの当事者が有利な立場にいるか)の関係や,例えば,ライセンス契約など,基本的にライセンサーが条件を決める契約など,いつも自社がドラフトを作成できるとは限りません。
バーゲニングポジションは,一般的には,その取引をより欲している方が,立場が弱くなります。
なお,都合により相手方が英文・英語契約書のファーストドラフトを作るということになった場合でも,必ず,自社で内容を精査し,必要な修正要求はしなければなりません。
決して,読まずにサインしたり,読んでも修正は無理だろうと自社で判断して,そのままサインしてはいけません。
修正ができないケースももちろんありますが,その場合でも,どこにどういうリスクがあるのかをしっかりと把握し,そのリスクが顕在化した場合の対処法を自社で検討し,場合によっては,相手方にそのような場合の協力体制について確認しておくことが有効な場合もあります。
なお,これはマナーレベルの話ですが,修正をするときはどこをどのように修正したのかが相手方にわかるように履歴をつけるのが良いと思います。
たまに,ドラフトの修正を複数回往復しているとき,相手方が,こちらにわからないように重要な条件や数字をいつのまにか変更しているということがあります。
見落としてサインしてしまうと危険な状況になりますので,注意が必要です。
まとめると,ドラフトは,できるだけ自社で作るほうが良いが,相手方が作成する場合には,内容を精査し,可能な限り修正要求をするということになります。
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