英文契約書の相談・質問集17 販売店・代理店に独占販売権を与えるべきでしょうか。
英文契約書の翻訳(英訳/和訳)・作成・チェックに関する基礎的な質問に,「販売店・代理店に独占販売権を与えるべきでしょうか。」というものがあります。
貴社が,海外の事業者を販売店や代理店として指名し,販売店を通じて自社商品を海外で販売展開するということがあったとします。
その場合,販売店としては,貴社の商品を独占的に販売し,他社を販売店に指名したり,貴社が直接現地の顧客に商品を販売できないようにしたいと考えることが多いです。
いわゆる総代理店(販売総代理店/一手販売店)というものです。
貴社と販売店との間にすでに取引が行なわれていて,一定期間の付き合いがあるという場合であれば,頃合いを見て,独占権を与えるということはありうるでしょう。
問題は,これから初めて取引をする場合に,最初から販売店に対し独占販売権を与えてよいかどうかです。
この点は,売主側からすると,慎重になったほうが良いというべきでしょう。
まだ販売店の実績もなく,パフォーマンスがわからない状態で,独占販売権を与えてしまうと,販売店のパフォーマンスが悪かった場合でも,契約期間中は,他の販売店を指名したり,自社で販社を設立して自社で販売展開するなどもできないことになってしまいます。
特に商品がまだよく認知されていない導入期にあるような場合はより注意が必要です。
テストマーケティングを繰り返し,実際に販売をしてもらい,現地での販売で貴社が十分に利益を確保できる状態になってから独占販売権を与えるのが理想といえるでしょう。
もちろん,いつも理想的な流れで取引ができるわけではありません。ときには,最初から独占販売権を与えなければならないという事情もあります。
その場合は,契約期間を考慮する,最低購入数量(Minimum Purchase Quantity)を定める,競業避止義務を定める,解除の条件を明確にするなどして,十分に貴社商品の販売に集中するような体制を作り,パフォーマンスが悪ければ契約から離脱できるようにしておくことが必要であることはいうまでもありません。
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