英文契約書の相談・質問集26 知っている弁護士がいないのですが,海外の弁護士はどう探せば良いですか。
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する際によく受ける質問に,「知っている弁護士がいないのですが,海外の弁護士はどう探せば良いですか。」というものがあります。
英文契約書をドラフトして,その英文契約書を締結前に現地法に照らして問題がないか,現地の海外弁護士にチェックしてほしいというケースや,取引相手と紛争状態になったので,現地の海外弁護士に交渉を任せたいなどの事情から,海外の弁護士を探したいという依頼をよく受けます。
伝手があったり,その国の弁護士をもともと知っているということがなければ,何の手がかりもない状態から探さなければなりません。
海外の弁護士は,一般的に,かなり専門分野が細分化されていて,一人の弁護士が取り扱う分野は相当に限定されています。
そのため,その弁護士の専門外の分野で依頼をしていますと,かなりひどい対応をされるということも現実にあります。
もちろん,弁護士法のような法律により,自分が取り扱うだけの知識を欠いている分野で対応をすることが禁止されていることが多いと思います。
そのため,専門外の相談が来た場合は,所内にいれば適切な専門弁護士に回してくれますし,所内に専門弁護士がいなければ,別の事務所を紹介してくれます。
しかしながら,このような規制をきちんと守って対応してくれる弁護士ばかりではありません。
また,弁護士費用についても,正直,この請求はないだろうという請求書を出してくる弁護士事務所もあります。普段から付き合いがないとこういうケースは増えます。
そのため,特に海外の弁護士を選任する際には,より慎重にならなければなりません。
最近は,多くの弁護士事務所がウェブサイトを開設していますので,ウェブサイト経由で問い合わせることも可能です。
ウェブサイト経由で問い合わせした場合でも,きちんとした弁護士が出てきて,適切な活動をしてくれることもあります。
ただ,返事が来ないこともありますし,正直,弁護士にとって経済的利益がどれだけあるかによって判断されてしまう面もあります。
その弁護士の質も誰も保証してくれないという面もあります。
そのため,可能であれば,知っている人から紹介してもらうのが良いと思います。
私も海外弁護士のネットワークを持っていますが,海外案件を取り扱っているいわゆる渉外弁護士・国際弁護士と呼ばれる弁護士であれば,伝手を持っていることが多いと思います。
そのため,このような弁護士から紹介を受けるのがやはり安全かと思います。
また,このような日本の弁護士に窓口になってもらい,日本の弁護士と海外の弁護士に協力して動いてもらうこともよくあります。
弁護士費用が二重に発生して高額になるという不安を持たれる方がいらっしゃいますが,実際には,日本の弁護士が交通整理をして海外の弁護士を使用することになるため,トータルの費用は,海外の弁護士を単独で使用した場合とあまり変わらないか,低くなるケースもあります。
海外弁護士の使う時間が減り,タイムチャージによる請求額が減額されることが多いためです。
このように,海外弁護士に適切に動いてもらう,海外弁護士から妥当な費用を請求してもらうようにするためにも,日本の弁護士を併せて雇用することも有用な場合があります。
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