英文契約書の相談・質問集25 海外進出のうち間接進出とはなんですか。
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく受ける質問に,「海外進出のうち間接進出とはなんですか。」というものがあります。
海外進出には,一般的に,直接進出と呼ばれる形態と,間接進出と呼ばれる形態があります。
間接進出とは,例えば,日本法人が自社の製品を海外で販売するという場合に,自ら直接的に出資して現地法人の販社を設立したり,合弁会社を設立したりせずに,海外の販売店(Distributor)や代理店(Agent)を指名して,「間接的に」海外展開をする形態のことをいいます。
自ら出資しないため,直接進出に比べ,進出コストが安い,撤退リスクが低いなどの利点があります。
ただ,直接進出に比べ,販売店や代理店のコントロールが困難,利益幅が小さいなどのデメリットもあります。
日本法人が自社製品を海外で販売展開する場合に,通常は,1.小売やエンドユーザーに輸出を行う段階→2.販売店や代理店氏名による間接進出→3.合弁や独資による販社の設立というような流れをたどります。
自社製品がその国で売れるのかどうかがわからない段階で最初から現地法人を設立するというのは,リスクが高いため,特に中小企業は,上記の流れをたどるのが通常かと思います。
間接進出を図る際にもっとも重要なのは,パートナーとなる販売店・代理店選びといえるでしょう。
信頼できるパートナーを選んだら,そのパートナーと条件交渉を行い,合意に至った内容を必ず英文契約書の形で書面に落とし込みます。
その際には,事業撤退の条件も決めておかなければなりません。
販売店や代理店とよくトラブルになるのは,撤退の際です。これまでコストをかけて商品を広告宣伝・販促してきた販売店や代理店は,事業撤退に関しクレームを入れてくることがよくあります。
撤退時に関係が悪化すると,類似品や模倣品で応戦してきたり,仲裁や訴訟を提起されたりと大きなトラブルになることがあります。
そのため,事前に対処しておく必要があります。
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