英文契約書の相談・質問集29 英文契約書で法的義務を課す表現はshouldですよね。
英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「英文契約書で法的義務を課す表現はshouldですよね。」というものがあります。
確かに,日常用語としては,shouldは「〜すべき」という意味だと学校で習いますので,そのような印象を持つかもしれません。
しかしながら,英文契約書では,当事者に法的義務を課す場合にshouldを使うことは避けたほうが良いです。
英文契約書でshouldを使用すると,その当事者に「〜したほうが良い」という提案のように解釈され,法的義務を記載したものではないと捉えられる可能性があります。
英文契約書において,法的義務を課す場合は,shallまたはwillを使用します。
英文契約書を読むときに頻繁にshallという単語をご覧になった方もいると思いますが,最初は,日常用語感覚のshallのイメージと異なるので,違和感があったかもしれません。
しかし,英文契約書において義務を表す用語として最も一般的なのはshallだと思います。
義務を表す用語としてwillも使用されますが,shallよりwillのほうが義務の程度が弱いという人もいるので,shallに統一するほうが無難かもしれません。
テクニカルな話ですが,自社側にwillを使用し,相手方の義務にはshallを使用するというパターンも見ます。
Shallとwillが混在していると,それには意味があるとされて,例えば,shallとされているほうが義務が強いので,違反すればmaterial breach(重大な契約違反)となり,willとされているほうに違反してもmaterial breachとはならないという解釈がされる可能性があります。
そのため,特別な理由がない限り,英文契約書では,義務を課す場合にはshallを用いると理解しておいて良いかと思います。
→next【英文契約書の相談・質問集30】 英文契約書でMaterial breachというのはどういう意味ですか。

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