英文契約書の相談・質問集42 インコタームズとは何でしょうか。

 


 英文契約書の作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「インコタームズとは何でしょうか。」というものがあります。

 

 

 インコタームズは,簡単にいうと,当事者が簡単に貿易条件を設定できるように,一定数の貿易条件を定めた国際的な基準のようなものです。



 国際商業会議所(ICC)が制定した貿易取引条件とその解釈に関する国際規則のことを指し,International Commercial Termsが正式名称になります。



 International Commercial Termsを略して,Incoterms(インコタームズ)と呼んでいます。

 

 

 最新版は,Incoterms 2020というもので,10年毎に改訂されています。

 

 

 インターネットでインコタームズやIncotermsで検索すると,Ex-works,FOB,CIFのようなインコタームズに記載された貿易条件の詳細についての解説記事がたくさん出てきますので読んでみて下さい。



 例えば,Incoterms 2020の具体的な条件の内容などはJETRO(日本貿易振興機構: ジェトロ)のこちらの記事確認できます。

 

 

 なお,インコタームズは,条約や法律の類ではないので,当事者がインコタームズに書かれた貿易条件を選択しなければ,インコタームズが適用されるということはありません。

 

 

 国際取引は,異なる国に属する企業同士が行いますし,海上輸送を伴うと,どちらがどこまで物品を輸送するのか,保険はどちらがどこからかけるのか,途中で物品が破損したりした場合どちらが責任を負うのかなど取り決めることが数多く出てきます。

 

 

 これらをいちいち交渉し,合意していては,選択肢が無限に増えてしまい煩雑です。

 

 

 そのため,インコタームズという国際準則のようなものが,代表的な貿易の条件を用意してくれていて,当事者はこれを選ぶと簡単に貿易の条件を設定できると理解しておけば良いかと思います。

 

 

 インコタームズを利用する際に注意しなければならない点はいくつかあります。

 

 

 まず,どの年度のインコタームズを使うのかを明示する必要があります。

 

 

 インコタームズは10年毎に改訂されているので,例えば,Incoterms 2000のFOB条件と,Incoterms 2010のFOB条件では内容が異なるというように,貿易条件が変更されていることがあるからです。

 

 

 また,よく勘違いされているのは,インコタームズで貿易条件を選択すると,危険の移転(Risk of Loss)と同様に所有権の移転も取り決めたことになるという点です。

 

 

 インコタームズは,危険の移転時期については定めていますが,所有権の移転については何もいっていません。

 

 

 そのため,取り決める必要があれば,所有権の移転については,英文契約書で別途取り決める必要があります。



 他にも,インコタームズを法律のようなものと理解されている方もたまにいらっしゃって,インコタームズを適用するなどと英文契約書に記載し,いろいろな契約書上取り決めるべき条件を取り決めたつもりになっていらっしゃることがあります。



 冒頭に申し上げたとおり,これは間違いです。



 インコタームズは,法律のようなものではないので,あくまでインコタームズに記載された条件を当事者で約束したということに過ぎず,例えば,売買契約であれば,製品の保証をどうするのか,損害賠償責任についてどうするのか,準拠法についてはどうするのか,などは何も触れていません。



 そのため,インコタームズを理解するときは,インコタームズには何が書かれていて,貿易条件を選ぶと何が取り決めされてことになるかをまずは知ることが重要です。



 また,インコタームズに記載があっても,この部分は別の合意はしたいということも可能です。



 インコタームズはあくまで任意の準則であり,当事者が合意により適用を排除することはもちろん可能だからです。



 その場合は,英文契約書にインコタームズとは異なる条件をとることを明記して対応することになります。

 

 

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