英文契約書の相談・質問集45 スムーズに英文契約書を締結したいので簡単な内容にしたいです。

 

 海外進出・海外展開をするときに必要になる英文契約書の作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「スムーズに英文契約書を締結したいので簡単な内容にしたいです。」というものがあります。

 

 特にこれまでも取引があるような場合に,改めて英文契約書を作成するというときは,長文の契約書を用意すると,契約内容についての交渉が長期化し,なかなか契約書を締結できないということを心配されるお客様がいらっしゃいます。

 

 確かに,過去に契約書無しで取引してきた場合に,長文の契約書を用意すると検討事項が多くなり,締結までに時間がかかるということはありえます。

 

 ただ,新規の場合も,既存の取引先と契約書を締結する場合も,交渉しておきたい,守ってもらいたいなどという事項については漏らさず取引先と議論し,合意に至った内容を英文契約書に記載することを基本的にはお勧めしています。

 

 たまに,特にこれまでも問題なかったし,銀行に見せる必要があるだけなので,A4一枚程度のごく簡単なもので良いので作成して欲しいという相談を受けることがあります。

 

 契約書の作成目的によって,こうしたご依頼をすべてお断りしているというわけではないのですが,基本的にはお勧めしていません。

 

 仮に銀行に見せるだけであっても,契約書として締結した以上,それが当事者間の合意を表すことになります。

 

 逆を言えば,その契約書に書いていない内容については何も合意されていないという証拠にもなります。

 

 これにより,記載がない事項はなんの基準もない状態となり,相手方は自己の都合の良いようになんでも主張できる基礎固めができたという見方もできます。

 

 また,一度契約書を作ってしまうと,冒頭に書いた問題意識のように,もう一度きちんとした英文契約書を締結するハードルが高くなることもあります。

 

 こういう事態を招くようであれば,むしろ,何も明確には合意されていないという状態(契約書がない状態)のままで,後にきちんとした英文契約書を交わしたほうが良いという場合さえあります。

 

 そのため,経営者の方にお勧めしているのは,目的や書類の必要性を自分だけで判断せず,その書類を交わすことによるメリット・デメリット,代替案の有無,簡単な内容を締結するとして,後の詳細な英文契約書の締結可能性など,アドバイザーに相談してみることです。

 

 この事業には融資がいる→融資元の金融機関がこの書類が必要だと言っている→融資が受けられれば良いから,簡単な契約書で良いというのは,融資のことだけで意思決定していることになります。

 

 しかしながら,この意思決定には,本来考えなければならない多くの要素が抜け落ちてしまっています。

 

 そして,その考えなければならない要素というのは,事業上の要素ではないので,経営者の方が自分で気づくのは難しいです。

 

 そのため,このような点に気づいてくれるアドバイザーを用意しておき,自分だけで決めないということが大切だと思います。

 

 また,意思決定の締切りがぎりぎりですと,多くの要素を考慮した上での慎重な意思決定が時間的にできないという事態を招くので,早めにアドバイザーに相談しながら事を進めることも大切です。

 

 もちろん,例えば,親子会社関係で,監査や税務調査の際に書類がないと困るため,取引の概要を表した簡易な契約書があれば良いというような,実質的に大きな問題が生じないと考えられるケースでは,簡易な契約書を締結しておくということで問題はないでしょう。

 

 ここで想定しているのは,こうした出資関係がない企業同士の通常の取引についてのケースです。

 

 通常の取引では,もちろん相手の言い分もありますから,自社の都合で簡単な契約書が締結できるとは限りませんが,後に利害対立が起こることが十分に想定されるにもかかわらず,自社の都合を押し付けて簡易な契約書を締結してしまうと将来自分の首を締めることに繋がりかねません。

 

 そのため,契約書を交わすからには,すべてのリスクについて検討した上で,できる限り検討項目を漏らさず検討し,相当なリスクヘッジのできた必要十分の契約書を作ることをおすすめしています。

 契約書を作成する際に,作成の目的を考えることは大切ですが,その目的を達成するために不必要な項目を検討項目から外して良いということにはなりませんので,この点は十分に注意してください。

 

→next【英文契約書の相談・質問集46】 英文契約書の内容変更は不可といわれたら変更はできないでしょうか。

 

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