英文契約書の相談・質問集73 英文契約書はとにかく自社に有利にすれば良いですよね。

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「英文契約書はとにかく自社に有利にすれば良いですよね。」というものがあります。

 

 確かに,英文契約書に限らず和文契約書であっても,基本的に自社に有利に契約書は作成すべきでしょう。

 

 ただ,常にすべてを自社に都合の良いように作成すべきかという問題はあります。

 

 そもそも,契約書の締結は,交渉によって行なわれますので,交渉の立場の強弱によって,自社に有利な契約書を作ろうとしても相手方が受け入れないということがあります。

 

 この場合,修正要求を繰り返すことで,交渉が決裂し,取引自体がなくなってしまうということもあります。

 

 そのため,相手方が取引関係上優位にいるような場合には,こちらも契約段階で配慮が求められることがあります。

 

 その場合は,ここを譲っては利益が確保できない,リスクが大きすぎて顕在化した場合,多大な損失に繋がるなどのどうしても変えなければならない点にフォーカスして,他は譲歩しつつ交渉することが多いです。

 

 他方,自社が有利な地位で交渉できる場合はどうでしょうか。この場合は,徹底的に自社に有利な内容の英文契約書にするように交渉すべきでしょうか。

 

 世界的企業の小売などは,このような手法を取っている節がありますが,一般的には,そうともいえないと思います。

 

 あまりに自社に一方的に有利で都合が良い内容にしてしまうと,いざトラブルになったときに,契約内容が無効であるとか,条項の解釈を限定すべきだなどとの法的主張をされやすくなるという問題があります。

 

 ある程度フェアな交渉が行なわれ,相手方も契約内容に納得してサインしたのであれば,契約内容自体にクレームがなされる可能性は低くなります。

 

 ところが,納得いかないまま,バーゲニングパワーによって,半ば強引に契約書にサインさせたとなると,相手は,あとになって「契約内容自体無理やり締結させられたもので承諾していなかった」として争ってくる可能性が高まるのです。

 

 また,実際に,裁判などになった場合,裁判所の判断によって,一方当事者に有利過ぎる内容の条項はときに無効と判断されたり,制限的に解釈されて内容が変更されたりすることもあります。

 

 したがって,何でもかんでも自社に有利に契約書を作成すれば,そのまま自社に有利になるということでもありません。

 

 取引先の信用を得て,長期間の関係を築くためにも,ある程度バランスを取り,相手方の利益にも配慮しつつ,自社に有利な契約書を目指すというのが理想といえるでしょう。

 

 契約書は,トラブルになったときに自社に有利に働くように作るという側面のほかに,相手方が契約内容に納得していて,それに反するような主張をしてこないことによって紛争を未然に防ぐという重要な側面もあるということです。

 

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