英文契約書の相談・質問集81 清算条項(Release and Discharge)とは何ですか。

 


 英文契約書の作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「清算条項(Release and Discharge)とは何ですか。」というものがあります。

 

 

 これは,当事者間で何らかの紛争が生じ,和解で解決するようなときに,和解書・合意書・示談書(どのタイトルを使っても法的に意味はほぼ同じです)によく登場する条項です。

 

 

 当事者間で,相手方に請求権があるかどうかなど何らかの争いが生じた場合に,その争いごとを解決するというときは,通常は,その和解書・合意書・示談書で確認・約束したことがすべてであり,それ以外にはお互い何も問題はないと確認したいはずです。

 

 

 そうでないと,また別の問題で紛争となり,いつまでたっても当事者が不安定な立場に立たされるということになるからです。

 

 

 そのため,和解書・合意書・示談書(英語ではSettlement Agreementと呼ばれます。)では,「甲及び乙は,本和解書に定めるほか,甲乙間に何らの債権債務もないことを相互に確認する。」などという条項を通常挿入します。

 

 

 これが,清算条項と呼ばれるものです。英語では,release and discharge...として債務から解放するという表現で同じことを表現します。

 

 

 この清算条項を作成する際には,いつの時点で,どの範囲で債権債務を清算するのかを明らかにすることが重要です。

 

 

 何らかの争いごとがあって和解に至っているのですから,和解する対象の争いごとがあるはずです。

 

 

 その争いごとに関しては,和解書・合意書・示談書に書かれた権利義務のほかには,債権債務が一切存在しないということなのか,そういう限定はなく,およそ甲乙間には債権債務がないとするのかということが問題になります。

 

 

 限定を付ける場合は,「本件に関し」という文言を入れ,何の件についての債権債務が清算されたのかをわかるようにして合意します。

 

 

 例えば,交通事故について示談をしているけれど,実は,加害者には交通事故とは全く関係なく数年前に貸付金があるというような場合に,「本件に関し」という文言を入れ忘れたということになると,基本的には,貸付金についても後で請求できなくなるという事態が起こりえます。



 当事者間で限定なく債権債務がないことを確認してしまっているので,交通事故の件に限らず,その当事者間に存在しうるあらゆる債権債務を清算したと解釈される可能性があるからです。

 

 

 したがって,清算条項を作成する際には,うっかり請求権を失うことがないようにしなければなりません。



 逆に,当事者間のあらゆる債権債務のすべてを精算したいという場合には,和解のきっかけになった紛争とは関係なくすべてを清算するというようにしなければなりません。

 

 

 清算条項は,請求しうる権利を失わせることがある重要な条項ですので,和解書・合意書・示談書(Settlement Agreement)を締結する際には,この部分は特に注意を払って検討しなければなりません。

 

 

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