英文契約書の相談・質問集82 長年取引していたのに急に打ち切られてしまいました。

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「長年取引していたのに急に打ち切られてしまいました。どうしようもないでしょうか。」というものがあります。

 

 

 日本企業が,海外のメーカーから正規代理店(Distributor)として商品を輸入して日本で販売展開していたとします。

 

 

 だんだんと取引規模が大きくなり,売上比率も50%近くなり,取引年数も15年ほどになりました。

 

 

 ところが,突然,海外のメーカーから,「3ヶ月後に取引は終了させる」と通知が来ました。

 

 

 日本企業は,3ヶ月後に終了すれば,売上の多くを失い,在庫問題も起こり,倒産する可能性すらあります。

 

 

 契約書は作っていません。そのため,契約期間や更新の条件,解約の条件などは取り決めていません。

 

 

 長年の信頼関係で取引してきたため,契約書は不要だと思っていたところの裏切り行為でした。

 

 

 このような場合,日本企業はどうしようもないのでしょうか。

 

 

 この点,日本では,「継続的契約の法理」呼ばれる判例理論があり,一定の場合,損害賠償金を受け取れたり,契約終了までの猶予期間を長くしてもらえたりということがありえます。

 

 

 また,各国の法令でも,「販売店(代理店)保護法」と呼ばれるような法令により販売店を契約終了から保護していることがあります。

 

 

 事業規模の小さい企業が事業規模の大きい企業に依存して取引をしていて,長期間が経過していたり,販売店がコストを掛けてブランドを育ててきたというような場合に,直ちに取引を終了させることは,アンフェアであるというのが根底にある考え方といえるでしょう。

 

 

 ただし,そもそもその契約における適用法律はどこの国のものなのか,仮に日本法を適用しつつ日本の裁判所に訴えることができ,勝訴判決を得たとしても,相手方は従うのか,強制執行をどうするのかなど,やはり国際取引では問題解決のハードルが高くなります。

 

 

 したがって,いくら信頼関係があるといっても,やはり英文契約書をきちんと取り交わし,契約期間,更新条件,解除や解約の条件,そして準拠法や裁判管轄(仲裁地)について明確に取り決めておくべきです。

 

 

 また,解約となったときの補償金や,在庫の処理についてもきちんと事前に交渉し,英文契約書に記載すべきです。

 

 

 そうしなければ,前述のように,内容が不明確でともするとケースバイケースの法律論や判例理論に依拠することになってしまいますし,交渉の指標もないため,紛争が泥沼化し,成果が上がるかも不明な訴訟などに頼らざるを得なくなってしまうおそれがあります。

 

 

 これは,明らかにリスクが高いです。このリスクは,取引前の交渉時にヘッジできるものですから,しっかりと契約書の内容を吟味することで対応しなければなりません。

 

 また,たとえ,最初は契約書なく取引が開始された場合でも,しかるべきタイミングで契約書の締結を試みるべきです



 よく,お客様の中には,これまで長い間契約書なく取引してきたけれど,トラブルはなかったし,今更契約書を作ろうというと,あちらに有利になったり,何か裏があるのではないかと勘ぐられたりするのではないかと心配される方がいらっしゃいます。



 また,最初に契約書を取り交わさなかったので,あとから契約書を締結するということは想像もしていないという方もいらっしゃいます。ただ,契約書はすでに取引をしていても作ることは可能です。



 もちろん,取引の途中で契約書の締結をオファーする場合,それなりに気を遣う必要はありますが,基本的には,そのまま契約書がない状態で取引する方が,よほど危険性が高いと思います。



 長期的な関係を望むからこそ,契約書はきちんと用意する方が,お互いにとって条件が明確になって利益となるといえるでしょう。

 

 

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