英文契約書の相談・質問集83 買主の注文を拒否できない場合はあるのでしょうか。

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「買主の注文を拒否できない場合はあるのでしょうか。」というものがあります。

 

 基本的には,売買基本契約書などを締結していても,それだけでは,売主には,買主の注文を受諾しなければいけない義務というのはないので,注文を受ける義務はないといえます。

 

 ただし,基本契約書に書かれた条項内容によっては,売主に買主の注文を受けなければならない義務が発生することがあります。

 

 例えば,最もわかりやすいのは,買主が発注して,その注文書を売主が受領した時点で,売主が受注したとみなされ,個別売買契約が生じると契約書に書かれている場合です。

 

 あまりないかと思いますが,OEM製品の製造販売などで,注文者側の立場が優位にあり,製造者側がその取引を欲しいという動機が強いとこのような内容の英文契約書になっていることがあります。

 

 他にも,これは,和文の契約書でもよく見ますが,売主が買主の注文書を受領してから◯営業日以内に,回答をしない限り,自動的に受注したとみなされるという内容の条項があれば,原則そのとおりになります。

 

 このような規定がある場合,なんとなく読むのではなく,本当にその営業日内で回答しなければ受注扱いになって良いのか,注意する必要があります。

 

 また,海外との取引の場合,営業日が日本と海外で異なることがあるので,この点も誤解がないようにしておくことが必要です。

 

 他には,買主が事前に発注数の予測(Forecast)を伝えるようになっていて,その予測数の範囲内であれば,売主は受注しなければならないという条項になっていることもあります。

 

 この場合,買主が一方的に決められるForecastによって,売主の受注義務が決まってしまいますので,売主側で生産体制などを準備するための猶予は与えられるものの,基本的に受注義務があるのと変わらなくなりますので,リスクが高いといえます。

 

 他の例では,合理的な理由がない限り,売主は買主の注文を拒むことはできないという内容の条項もよく登場します。

 

 この場合,「合理的な理由」というのがやや曖昧であるため,どのような場合が想定されているのかは事前に確認しておいた方が良いでしょう。通常は,サプライヤーの手元に在庫があるかないかや,生産体制上の問題などが挙げられるでしょう。

 

 また,英文契約書で明確に受注義務定められていなくとも,最低購入数量が買主に設定されているような場合は,不合理に注文を拒否すると,法的問題を生じる可能性があるでしょう。

 

 さらに,基本売買にとどまらず,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を締結した場合,準拠法によっては,契約書にサプライヤーに受注義務があると明言されてなくとも,サプライヤーは販売店(Distributor)からの注文を原則として受注しなければならないと解釈される可能性もあります。

 

 このように,英文契約書の内容によっては,通常ないはずの売主の受注義務が生じる場合があります。

 

 そのため,売主としては,安易に上記のような条項を受け入れず,自社の生産体制,在庫の状況から無理なく受注義務を受けられるという場合でない限りは,守れない可能性のある受注義務を負わないようにする必要があります。

 

→next【英文契約書の相談・質問集84】 Complete Disclosure条項とは何ですか。

 

 

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