Beginning on...and ending on...(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Beginning on...and ending on...があります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「…から…まで」という意味で使用されます。
…の部分には日付が入り,期間を表す用語として,このbeginning on...and ennding on...はく使われます。
なお,from...to...やbetween...and...も期間を表す用語としてよく使用されます。
ただし,from...to..やbetween...and...は,穴埋めされた日付を含むのか含まないのかが不明であるため,使用をさけるべきだと言われています。
form...to..やbetween...and...の場合,...部分に記載される日は含まないとしている解釈が多いようには思いますが,to...部分は含まれるですとか,逆にすべて含まれるという解釈もないわけではありません。
このように,form...to..やbetween...and...は英文契約書でよく見かける表現なのですが,実は,...の日付が含まれるかどうかは,あいまいだということになります。
もし,締結した英文契約書に,form...to..やbetween...and...を使った表現がある場合,念のため,期間が短くなるように理解をし,期限を過ぎてしまったり,本来許されていない日まで何かをしてしまったりと,期限を過ぎていたが故に契約違反だとされないように理解しておくことが重要です。
また,英文契約書をドラフトする際に,期間を記載するときは,あいまいさを回避するため,beginning on 1st March 2018 and ending on 30th April 2018などと,両日ともに含まれることを明確にすることを心がける必要があります。
他にも,from...(exclusive) to...(exclusive)などとすれば,...の部分に書かれた日付自体は含まない意図であることが明確になります。
英文契約書で書かれた期間が特に重要な内容でなければ,先ほど述べた通り,念のため短く考えておけばそれほど大きな問題とならない場合が多いでしょうが,権利の行使期間や義務の履行期間など重要な場合もたくさんあります。
このような場合に,穴埋めされた日付を含むのか含まないのかはときに重大な意味を持つことがあります。
特に,期間が短いような場合,1日,2日の差が大きなものとなってしまいます。
そのため,たかが日付の記載などとは考えず,実際にその期間はどこからどこまでなのか,正確に把握する必要があります。
これは,暦日なのか,営業日なのかなど,期間の長短に影響するその他の表現に類似する問題です。