英文契約書の相談・質問集98 多く売った方が良いから販売店が注文しただけ売っていいですよね。

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「多く売った方が良いから販売店が注文しただけ売っていいですよね。」というものがあります。

 

 確かに,販売代理店契約(Distribution/Distributorship Agreement)では,販売代理店が売主から商品を購入して在庫を持つので,売主としては販売代理店に売って代金をきちんと回収できれば,売れば売るほど利益を上げられるということになります。

 

 そのため,販売代理店が注文してくれる限りできるだけ多くの商品を売った方が良いということになりそうです。

 

 また,販売店代理店契約書(Distribution/Distributorship Agreement)上も,販売代理店が注文した場合,合理的な理由がない限り売主が注文を拒否できないという内容になっていることも多いため,そもそも販売代理店からの注文を簡単には拒絶できないこともあります。

 

 しかしながら,売り主としては,販売代理店が過剰在庫を持つことにならないように注意する必要があります。

 

 販売代理店がきちんと商品をさばいてくれているのであれば通常問題ないでしょうが,販売代理店が在庫として保管している量が多くなりすぎると問題を生じることがあります。

 

 例えば,過剰在庫になって,販売代理店が値崩れしたセール品価格で売らざるを得なくなり,商品のブランド価値が落ちてしまうという問題が起きることがあります。

 

 そうなると,例えば,他の販売代理店が売っている商品まで価格が下落してしまうということになりかねません。

 

 特に時間の経過とともに商品価値が落ちる季節商品やアパレル商品,食料品などはこういう問題が起きる可能性が高いので注意が必要です。

 

 また,販売代理店契約が終了した際に,売主が在庫を買い取るという条項がある場合は,在庫の買い取り義務が生じてしまい,負担になることもあります。

 

 したがって,販売代理店に任せきりにせずに,販売代理店の在庫は売主もある程度管理することが必要になる場合があります。

 

 そのため,販売代理店契約書(Distribution/Distributorship Agreement)にも,在庫について定期的に販売代理店に報告するように義務を課す必要があることがあります。

 

 基本的には,販売代理店が自己の名義と計算にて商品を仕入れ,販売するわけですから,在庫調整などには長けているはずです。

 

 そのため,通常,問題になることは少ないでしょうが,商品の性質から特に在庫には注意が必要な場合や,販売代理店がこれまで扱ったことがない商品であるような場合には,上記のような対処が必要になることもあるのです。

 

 契約書は作成することが目的というわけではありません。契約書がなくとも取引はできます。

 

 重要なのは,自社が行おうとしているビジネスで利益を上げてこれを確保するには,どのような点に注意をしなければならないかを,商売としてきちんと考え,それを約束事に落とし込むことです。

 

 その結果として作成されるものが契約書なのです。したがって,この商売をしますといえば,自動的に最適な契約書が作成できるという性質のものではないわけです。

 

 販売代理店の在庫管理を売主がどこまでするかという問題も,一律に考えられるわけではなく,商品の性質や取引量などを考えて,個別に設定すべき問題の一つといえるでしょう。

 

→next【英文契約書の相談・質問集99】 商品の納期を決めておけば,遅れたら売主に責任がありますよね。

 

 

 

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