英文契約書の相談・質問集121 契約書に誤りがあればすべて指摘すべきですよね。

 

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,「契約書に誤りがあればすべて指摘すべきですよね。」というものがあります。

 

 

 相手方が契約書をドラフトして,自社に送ってきた場合,これをチェック・レビューすることになります。

 

 

 その際,契約書の内容に誤りや間違いなどがあることがあります。これらについて事細かにすべて指摘すべきでしょうか。

 

 

 もちろん,すべて指摘して悪いということではありません。ただ,誤りや間違いの内容によって対応を変えることはありえます。

 

 

 例えば,書いてある内容が余事記載(書いてあっても書いてなくとも結論が同じ)のような場合,特に自社に不利益が生じるわけではない(無益的記載事項)ので,あえて指摘することもないということはありえます。

 

 

 指摘することで,余計な時間がかかったり,相手方がプライドから必要性を主張してきたりすれば,時間の無駄ということがありえます。

 

 

 また,自社に有利な間違いということもあります。例えば,当事者を誤って書いてあり,自社に有利になっている場合とか,本来相手方から提案をするような話ではないのに相手の義務になる内容が書かれていたりというような場合です。

 

 

 さらに,これは少し高度な話になりますが,はっきりと相手方に不利,自社に有利ということまではいえないのですが,契約書内で矛盾するような条項が複数あるために,もともと自社に不利なはずが,解釈によっては自社に有利な内容を主張しうるような内容になっているということもあります。



 同一の契約書内で矛盾する内容があれば,いざというときに自社に有利な内容の主張をすることができる余地があるわけです。



 この点の矛盾を解消しようと相手方に矛盾点を指摘すると,相手に有利なように矛盾のない内容に書き換えられる可能性がありますが,矛盾したまま残しておけば自社に有利な解釈がありうるということです。

 

 

 このような場合に,わざわざこちらから相手方の誤り(と思われる)を指摘して「あげる」必要があるかは,検討の余地があるでしょう。

 

 

 もちろん,契約交渉は騙し合いではないですし,明らかな誤りは,後に解釈の争いになったとしても,単に誤りとして認められる可能性があるのであって,指摘しないことで常に自分に有利なように進めるのが良いわけではありません。

 

 

 しかしながら,誤りや間違いと思われる箇所を何でもかんでも指摘するのが良いかといえば,そういうことでもありません。

 

 

 また,誤りや間違いというわけではないけれども,ある条項の意味が不明確であったり,何通りかに解釈できるという場合にも,常にそれを指摘するのが良いかといえば,そうではなかったりもします。

 

 

 曖昧さを指摘することで,かえって自社に不利な内容で明確化することになってしまったりすることもあるからです。

 

 

 このように,契約書をチェック・レビューするということは,誤りなどがないかを機械的に見ていくということとも違いますし,常に自社に有利になるようにトラップをしかけていくというようなものでもありません。

 

 

 自社が不利にならないようにはしますが,相手の立場にもある程度配慮し,取引関係が良好となり,お互いが納得できるフェアな内容で完結するのが望ましいということになるでしょう。

 

 

 理想はそうでも,現場では,どのように判断するかが難しい場合も多いです。この点は,やはり経験や実績がものをいうということになると思いますので,たくさん経験を積まれることが大切だと思います。

 

 

→next【英文契約書の相談・質問集122】 準拠法と裁判管轄地は同じ国にしないといけないですか。

 

IMG_6603 resized 2.jpg

 

 

 英文契約書に関するサービス内容のお問合せ,見積依頼は下記からお気軽にどうぞ。



 正式にご依頼頂くまで料金はかかりません。

 

 

 原則として,当日,遅くとも1営業日以内(24時間以内)に折り返しご連絡させて頂いております。

 

 

 

 

 

お問合せフォーム・メールでのお問合せ

お問合せフォーム 

 kikuchi@mkikuchi-law.com

※契約書を添付して頂ければ見積回答致します。

受付時間:24時間



お電話でのお問合せはこちら

 03-6453-6337

弁護士菊地正登(キクチマサト)宛

受付時間:9:00〜18:00(土日祝日は除く)

 

ロゴ.jpg

  


▲このページのトップに戻る