英文契約書の相談・質問集128 海外弁護士に依頼をする際に注意点はありますか。(その1)

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「海外弁護士に依頼をする際に注意点はありますか。」というものがあります。

 

 

 英文契約書を作成して,相手方と締結する前に,相手方の属する国で資格を持った弁護士に,英文契約書のレビューをお願いしたり,取引開始後に万一相手方とトラブルになった場合に,海外の弁護士・外国人弁護士に代理人として交渉を依頼したりすることがあります。

 

 

 このように海外の弁護士に業務を依頼する場合に,注意点はありますかと相談を受けることがあります。

 

 

 まず,注意点といいますか,そもそも探すのが難しいということがあります。日本の顧問弁護士がいる企業は,顧問弁護士に依頼して探してもらうのが良いでしょう。

 

 

 もし顧問弁護士が海外の弁護士を直接知らないという場合でも,海外の弁護士にネットワークがある弁護士に紹介してもらったりということができる場合もあると思います。

 

 

 顧問弁護士がいないという場合は,自分で探さないと行けないですが,JETROなどの機関で聞いてみるというのも一つかもしれません。

 

 

 最近は,法律事務所も英語でウェブサイトを用意していて,サイトから問合せできる場合がほとんどですので,取扱分野などを見て,良さそうなところ複数にウェブサイトから問い合わせるという方法もあるでしょう。

 

 

 紹介を受けた場合ではなく,ウェブサイトで問い合わせるという場合は,一つの事務所だけではなく,複数の事務所に問合せて相見積もりをし,回答内容と金額を参考に選ぶのが良いでしょう。

 

 

 なお,弁護士を選ぶ際に,価格が安いからという理由だけで選ぶのはおすすめできません。安い,高いという値段には相応の理由があることも多いからです。

 

 

 安かろう悪かろうでは意味がありませんし,見積もりが安く見える場合,後からタイムチャージでこれだけ時間がかかったと,実際には多額の費用を請求されるという例もあります。

 

 

 実績や,問合せへの回答スピード,回答内容なども見ながら,価格だけで決めないということが大切だと思います。



 これは,海外弁護士に限らず,日本の弁護士もそうですし,もっというと,あらゆる商品やサービスを購入する際の鉄則だと思います。面倒臭がって,わかりやすい価格だけで選ぶと後で後悔しますので,ご注意下さい。

 

 

 いざ,どの弁護士に依頼するかが決まった場合,最も大切で重要なことは,業務内容と業務範囲を明確にすることです。

 

 

 当然のことなのですが,特に海外の弁護士で言語も異なりますし,面会などせずにメールで依頼することになるなど,詳細に話しをできるという場合でないことがほとんでしょう。

 

 

 そうすると,依頼内容がうまく伝わらなかったり,業務の範囲が不明確で,不必要な業務をされてしまい,弁護士費用が高額になったりしてしまいます。

 

 

 これでは,頼んだ意味が薄れてしまいますので,依頼内容がきちんと伝わっているかは,事前に確認してから業務を開始してもらうようにしましょう。

 

 

 また,業務の範囲は,海外の弁護士のほとんどが時間制報酬(タイムチャージ)を採用している関係で,弁護士費用に直結する問題です。



 そのため,依頼業務の範囲は,予め詳細に確認することをおすすめします。

 

 

 最近は減ってきていると思いますが,少し前までは,日本企業は請求額をそのまま支払うことで知られており,一部心無い海外の弁護士事務所から,少し上乗せしたような高額な請求をされ,何も言えずにそのまま支払うということがありました。

 

 

 私がロンドンの法律事務所にいたときは,クライアントによっては,請求書の明細を細かくチェックして,弁護士事務所に請求額を確認するということをしていました。

 

 

 疑問があれば,尋ねることも全く問題ないです。もっとも,弁護士も人間ですから,請求金額の根拠を疑うような対応をすると,あまり良い関係が築けないのではないかという心配もわかります。

 

 

 特に新規の依頼の場合,ある程度,依頼するためのミニマムの弁護士費用額というようなものも現実にはあります。

 

 

 そのため,請求書をもらってから弁護士費用にクレームを入れなければならないという事態をなるべく避けるために,特に英文契約書のレビューなど,依頼範囲がある程度明確にできる場合には事前に依頼範囲を明確にして依頼するのが良いでしょう。



 もっとも,トラブルについて代理交渉を依頼するような場合は,依頼範囲を明確にしたり,予め正確な見積もりをもらったりするのは難しいのが現実です。

 

 

 相手方がいる問題ですので,どこまで時間がかかるか,業務の範囲がどこまで広がるか,事前に確定することが難しいためです。

 

 

 この場合は,きちんと時間単価を事前に確認し,依頼後も作業明細をもらうようにしましょう。



 疑問があれば質問するようにすれば良いかと思います。(ただしあまり細かくチェックするとなると,信頼関係に影響しますので,常識の範囲内で行いましょう。)



 それと,もう一点,重要な注意点があります。それは専門分野です。



 一般に,海外の弁護士は,日本の弁護士(日本にも専門分野を持っている弁護士ももちろんいますが)に比べて,取扱分野が事細かに別れています。



 そのため,その弁護士が何を扱っている,何を専門にしているかを十分に事前に調べて下さい。



 できれば,その弁護士の専門性を知っている人から紹介を受けるのが安全ですが,ウェブサイト上などでも実績や経歴をきちんと見るようにして下さい。



 資格上では,同じ弁護士でも,この専門分野によって,能力や知識が全く違います。日本のように司法研修所のようなところで,とりあえず裁判のことは皆が学んだなどということはないのが一般的です。



 そのため,紛争や訴訟を扱わないという弁護士の方が多いです。さらに,紛争を扱うと言っても,その中でさらに細分化されています。


 

 おそらく,自国の法律で自分の専門分野以外の分野の依頼は受けてはならないという規則があることが一般的ではないか(イギリスはあります。)と思いますが,ここを間違えるとお互いが不幸になりますので,十分注意して下さい。



 弁護士も,全くわからないのに受けるというよりは,助けてあげたいという気持ちから少し背伸びして受けてしまい,成果につながらないというパターンが多いのだと思います。



 私も経験がありますが,結論が明確に出るはずの分野での質問で,2人の弁護士が全く違う意見を出してきたということがあります。

 


 ここでミスマッチが起こると,お互いが不幸ですし,時間やお金が無駄になってしまったり,その弁護士の誤った意見で動いてしまい重大な悪影響をもたらす結果になるリスクがありますので,十分注意して下さい。



 こうした点に注意しつつも海外弁護士と信頼関係が築けると,別の分野弁護士を紹介してもらえたり,別の国の弁護士を紹介してもらえたりしますので,良い関係を作ることをおすすめします。

 

 

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