英文契約書の相談・質問集135 契約書内に矛盾する条項がある場合はどうすれば良いですか。

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「契約書内に矛盾する条項がある場合はどうすれば良いですか。」というものがあります。

 

 まれに,相手方が提出してきた契約書ドラフト内に内容が矛盾する条項があることがあります。このような場合,どのように対応するのが良いのでしょうか。

 

 内容にもよりますが,損害賠償責任の条項,免責条項,責任制限条項や保証内容の条項などに矛盾がある場合,自社にどの条項がどのような内容で適用されるかによって自社が受ける利益・不利益が大きく異なってくることがあります。

 

 最もわかりやすいのは,矛盾を指摘して,自社が有利になる方の内容を採用するように交渉するということになるでしょう。

 

 ただ,この方法は,相手が矛盾に気がついていないような場合,藪蛇になり,相手がこちらからの指摘によってはじめて矛盾に気づき,逆に相手側に有利な内容にするように要求されてしまう危険もあります。

 

 相手の方が,バーゲニングパワー(交渉上の力)が強いということになれば,矛盾を指摘したことによって,却って,明確に自社に不利な内容を締結させられてしまったということもありえます。

 

 指摘していなければ,少なくともあやふやな状態でしたので,後にその条項の解釈が実際に問題になったときに,自社に有利な解釈が採用される可能性があったのに,矛盾を指摘したがために,その可能性がなくなってしまったというパターンです。

 

 つまり,「言わなきゃよかった」という状態といえるでしょう。

 

 相手方に言わずに自社で修正をするというのも選択肢の一つでしょう。もっとも,この場合も,修正したことが相手方にわかることが通常でしょうから,同じく藪蛇になり,結局,相手方に有利な内容にするよう要求されることが考えられます。

 

 では,放置するとどうなるでしょう。同じ契約書内に矛盾している条項が存在しているので,どちらの内容が適用されるのかが,そのままではわからず,最終的に解釈論になります。

 

 具体的にその条項の適用が問題になる紛争が起こり,紛争発生時に,相手方も矛盾に気づき,当事者がそれぞれ自社に有利な方の解釈を主張した場合,交渉は平行線をたどることになってしまいます。

 

 そうなると,最終的には,裁判所や仲裁にて,裁判官や仲裁人がどういう解釈が正しいかを判断することになるでしょうが,これらの手続きを取るには,費用対効果や時間などの問題でハードルがあります。

 

 そこで,仮に,裁判や仲裁となった場合に,裁判官や仲裁人がどのように解釈するかを弁護士などが予測して,その方向で話し合いをし,裁判や仲裁をせずに和解するというのが現実的ということになるでしょう。

 

 その際には,準拠法と裁判管轄や仲裁地がどこの国になっているのかも重要です。なぜならば,その国の法律に照らしてその国の裁判所や仲裁機関がどのように解釈するであろうかという予測が大切になるからです。

 

 ちなみに,英米法の解釈の仕方の一つに,「起草者の不利益に解釈する」というものがあります。

 

 上記の例でこちらの解釈原則に従うとすると,矛盾している条項をドラフトしたのは相手方ということになりますので,相手方の不利益に解釈するということになります。

 

 また,責任を制限するような条項だとすると,「その条項によって利益を受ける当事者の不利益に解釈する」というような解釈の仕方もあります。

 

 このような解釈の仕方に則って,どちらの解釈がより正しいかを議論し,正しそうな方を採用した上で,あとは交渉により譲歩等をしていくというのが一般的かもしれません。

 

 このように,①相手方に契約書の修正を依頼する,②自社で修正する,③放置する,のどの方針をとっても問題はありますので,元も子もないことをいうようですが,矛盾した内容は極力避けるのがそもそもの大原則になります。

 

 それでもミスは起こりえますので,その場合には,綺麗事をいうようですが,やはり最も妥当なのは,お互いに信頼があるという前提で,矛盾がある場合は素直に指摘し,改めて条件を交渉し,最終的に矛盾を取り除いてお互いが納得できる内容で契約を締結することかと思います。

 

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