英文契約書の相談・質問集141 不可抗力(Force Majeure)の内容はいつも同じで良いですよね。

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「不可抗力(Force Majeure)の内容はいつも同じで良いですよね。」というものがあります。

 

 

 この不可抗力(Force Majeure)条項は,ボイラープレート条項または一般条項などと呼ばれ,ほとんどの英文契約書に挿入されている条項です。

 

 

 簡単にいうと,「当事者の責めに帰すべき事由ではなく,当事者がコントロールできないような事由(不可抗力)によって,当事者が契約上の義務を契約通りに履行できなかったとしても,その当事者は相手方に責任を負わない(免責される)」というような内容でよく規定されています。

 

 

 ボイラープレートといわれるくらいですので,こうした条項は,書式があり,それをテンプレートとして使うということが多いと思います。

 

 

 ですので,いちいち内容をチェックせずとも,いつも同じ内容で問題ないと考えがちです。

 

 

 ただ,実際には不可抗力(Force Majeure)条項の内容にもいろいろバリエーションがあります。

 

 

 不可抗力の事由にも種類があり,大きく分けると,天変地変に代表される自然災害などの外部要因のパターンと,工場のストライキなど内部要因のパターンに分けられます。

 

 

 後者の例の工場でストライキは,本当に当事者のコントロールできない事情といえるかどうかは微妙ところがありますが,後者の例の大震災などの自然災害は仕方がないという感覚があるのではないでしょうか。

 

 

 後者の例の内部要因をどう考えるかは,具体的に検討すべき場合があるでしょう。


 

 例えば,商品の売買契約において,納期が重要で,大量発注するような製品の場合に,ストライキが起きたからといって簡単に売主を免責してまって買主として本当に良いのかということはあります。

 

 

 サプライヤーが複数工場を所有していたり,契約していたりした場合に,通常の生産工場だけがストライキになった場合に,不可抗力免責が適用されるのかという問題もあるかと思います。

 

 

 このように,売主か買主のどちらの立場なのかによって,不可抗力とすべき事由は異なってくることがあります。そのため,いつも同じテンプレートを使えば良いということにはなりません。

 

 

 また,日本法の感覚だと,不可抗力(Force Majeure)が原因で債務不履行が起こった場合,当事者の責めに帰すべき事由がない場合なので,免責されるのは法令上当然だと考えるかもしれません。


 

 しかしながら,不可抗力免責については国の法律によって考え方が異なりますので,不可抗力(Force Majeure)による債務不履行の場合は,英文契約書に免責規定を置いていなくとも,当然免責されると理解しないように注意が必要です。

 

 

 例えば,英国法では,不可抗力(Force Majeure)があっても,当然には,当事者は契約の履行責任を免れません。

 

 

 反対に,前述したとおり,日本法では,債務不履行責任を生じるには,当事者の帰責性を要求しているため,基本的に自然災害などの場合には,当事者の帰責性が認められず免責されることになると思います。

 

 

 このように,準拠法となる法律によって考え方も異なっていますので,不可抗力(Force Majeure)をどのような内容にして契約書に記載するかは重要な意味を持っているのです。

 

 

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