英文契約書の相談・質問集146 海外向けの売上比率はどのくらいが妥当ですか。

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「海外向けの売上比率はどのくらいが妥当ですか。」というものがあります。

 

 これは,もちろん,貴社の業種,業態,商品,売上規模,利益率,事業計画などによってまちまちなので,このくらいの比率が妥当などと一般的な正解はありません。

 

 私のお客様の中では,海外の売上比率が高いところは,5割を超えています。5割超というのは相当に海外向けの売上が高いほうだと思います。

 

 一般論としては,日本国内のマーケットのみに依存していると,人口減少で需要が縮小してくる中,リスクが高いです。

 

 そのため,海外展開は,このリスクを減らすためのリスク分散の側面があると思います。

 

 その観点から,海外への売上比率をある程度伸ばしていくのは戦略として妥当な場合もあるでしょう。ただ,その場合でも,海外の一国に依存しているとあまり分散効果は得られません。

 

 そのため,単に海外展開といっても,多くの国に輸出し,広くリスクを分散させていくという方法で成功している企業はあります。

 

 ただ,当然ですが,様々な国に進出するということは,それだけ,売掛金の回収リスク,法務リスク,カントリーリスクなどを多く抱えるということでもありますので,一概に多角的に海外進出するのが良いということでもありません。

 

 特に,製造物責任法(PL法)の問題を生じうる製品を扱っている場合,万一リコールなどが起きれば,海外展開比率が高いと,相当にコストがかかるということもあります。

 

 ただ,海外向けの売上比率が高いところでも,最初から高いわけではなく,成功体験を積み重ねて徐々に海外向けの売上比率が高まっていったというのが実態です。

 

 相当の資本力があるのであれば,直接進出も含めて一気に多数の国に販売展開することも可能でしょうが,中小企業の場合は,徐々に輸出国を増やしていって,実績を積み重ねるというパターンのほうが普通かと思います。

 

 海外比率はどのくらいが妥当かというのは,正解はないでしょうが,このリスク分散という観点から,複数の国に販売展開するというのはよくあるパターンです。

 

 国内でも同じですが,特定の取引先への依存率が高すぎると,その取引先との関係が悪化したり,その取引先の財務状況が悪化したりすると,自社も窮地に立たされるということはよくある話です。

 

 そのため,国内でも特定の取引先に依存しないことが大切なのと同様,海外でも複数の国に進出して,リスクヘッジしておくというのは,取りうる選択肢の一つかと思います。

 

 ただ,海外展開に成功している企業を見ると,こうした事業戦略は,最終的には経営者のビジョンの問題に帰着するのだと感じています。

 

 内需が縮小しているので,リスクヘッジのために海外展開するといういわば消極的な目的というよりは,自社の商品を広く世界で使ってほしいとか,自社の価値観を世界で共有してもらいたいなどとビジョンがあって,そこから積極的な意図で海外展開されている企業はどんどん伸びていると感じています。

 

 まずは,こうしたビジョンがあって,その次に,そのビジョンをより効果的に適切に実現するには,どの程度の時間をかけて,どの国から展開していき,最終的にどの程度の海外向け売上比率にしていくかなどを決定していくのが王道かと感じています。

 

 目に見える商品を扱っているのではないITベンチャー企業などでは,最初からグローバル展開を考えて研究開発しているパターンもこのところ日本でも見られるようになっています。

 

 このような場合は,段階を踏むというよりもほぼサービス設計やマーケティングで決まってくる側面がありますので,前述した流れとは異なってきます。

 

 このようなIT系のサービスであれば,在庫リスクなどもないことがありますので,目に見える商品を扱っているよりは,特に海外比率が高いと高リスクということでもないことが多いので,積極的に海外展開している印象です。

 

 ただ,在庫を抱えないビジネスであっても,広く海外展開していると,例えば,各国の独占禁止法・競争法やGeneral Data Protection Regulation(EU一般データ保護規則)などの規制を受けることがありますので,その点は注意が必要です。

 

 海外取引は国内取引に比べ法務リスクなども高いため,難易度は高くはなります。ただ,ビジネスとしては,海外も国内も基本は同じですので,リスクヘッジをしながら,段階を経ながら積極的に海外への売上比率を高めていくというのが良いか思います。

 

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