英文契約書の相談・質問集171 不当に安く売られている商品をどこから仕入れたのか調べられますか。

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「不当に安く売られている商品をどこから仕入れたのか調べられますか。」というものがあります。

 

 例えば,日本の企業が,海外のメーカーと独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)を締結し,販売店(Distributor)となって,日本市場で商品を販売展開していたとします。

 

 あるとき,販売店は,日本市場において,不当に安い小売価格で販売店(Distributor)が取り扱っている商品と同一の商品が販売されていることに気づきました。

 

 販売店(Distributor)が国内で卸した商品が出回っているのか,並行輸入(販売店が仕入れているメーカーとは別の業者からの仕入れ)なのかはわかりません。

 

 また,具体的にどういう商流をたどってその商品が不当に廉価な価格で販売している業者に渡ったのかもわかりません。

 

 このような場合に,その小売店がどのようなルートで商品を仕入れたかを調べる方法はあるのでしょうか。

 

 一つ考えられる方法は,商品を追跡(トラッキング)できるようにしておくことでしょう。

 

 パーケージや商品のものに,卸先ごとに対する番号や記号を割り当てておき,その商品を卸します。

 

 そして,同一商品が不当に安く売られているというような問題がわかったときには,その商品を購入してみて,上記の番号や記号で,どのルートで売られた商品なのかを調査するという方法です。

 

 細かい商流まですべてわかるわけではないですが,大まかなルートは判明することがあります。

 

 これにより,不当な安値での販売に対する対処が可能になる場合があります。

 

 もっとも,商流が判明したとしても,小売価格を規制しようとしたり,並行輸入を阻止しようとしたりすると,独占禁止法により違法になることもあります。

 

 独占禁止法では再販売価格維持は禁止されていますし,並行輸入は一定の要件を充たせば適法であるため,これを阻止する行為は独占禁止法違反になるおそれがあるからです。

 

 このように,不当に安い価格で他社から販売されていると判明したとしても,それに対する対策を取ることが法律違反となる場合がありますので,十分注意が必要です。

 

 このような対策まで取るかどうかは,独占禁止法の専門家などに事前に相談し,適法性を吟味しなければなりませんが,商品を追跡することは一定の意味がある場合もあります。

 

 上記の追跡方法は,小売価格の問題のほかは,商標やロゴの付替え対策などにも有効な場合があります。

 

 メーカーの商品の商標やロゴを勝手に別の商標やロゴに張り替えて,自社ブランドのようにして商品を売られてしまうということが起こりえます。

 

 また,商品そのものを改変してしまうという場合にも,どの商流で購入された商品が改変されているのかを突き止めるのにも有効な場合があります。

 

 このような場合に,どのルートで仕入れた商品かを突き止めることにより,対策を立てやすくなることがあります。

 

 今は,ネット販売が可能となりコストをかけずに販売しやすくなっていますし,3Dプリンターなどの出現で,模倣品の製造も容易かつ精巧になっています。

 

 そのため,前述したような対策がますます必要になってくると思います。

 

 ただ,繰り返しになりますが,対策自体が法律に違反するという場合もありますので,そのようなことにならないよう,事前に専門家に相談するなどの対応をしておくと良いでしょう。

 

→【英文契約書の相談・質問集172】最低購入数量未達の場合に独占権を奪うとの内容に注意点はありますか。

 

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