英文契約書の相談・質問集205 海外弁護士に依頼する際の注意点はありますか。(その2)

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「海外の弁護士に依頼する際の注意点はありますか。」というものがあります。

 

 海外の弁護士に限らず,日本の弁護士に依頼する場合もそうですが,まずは,最初に何を依頼したいのかを,弁護士に正確に理解してもらうように,十分にコミュニケーションを取りましょう。

 

 ここで理解が一致しないと,無駄な費用と時間がかかったりして,お互いが不幸になりますので,依頼内容は明確化しておくことが最初の第一歩です。

 

 そして,依頼内容を明確にすることに加え,その案件で獲得したい目標をきちんと伝えて,弁護士と共有しましょう。

 

 例えば,契約違反をされて,自社が損害を受けたので,相手方に対して損害賠償請求をする交渉の代理業務を海外弁護士に依頼したいとします。

 

 この場合に,一見,損害賠償金の回収が獲得目標になるだろうと想像しますが,必ずしもそうではありません。

 

 依頼者によっては,「お金は取れなくても最悪いいのですが,二度と関わりたくないので,お互いにこれで何の関係もないということを約束させてほしい」ということが獲得目標だったりすることがあります。

 

 これは,弁護士側が丁寧に依頼者から事情を聞かないと,見落としてしまう可能性があります。

 

 特に,損害賠償金の金額に比例する成功報酬で依頼をしておきながら,実は,損害賠償金とは別の獲得目標があり,それを弁護士が理解していないとなると,弁護士は損害賠償金額を上げないと報酬が増えないため,損害賠償金の獲得に意識が向いてしまうということになりかねません。

 

 こういう不幸が起きないように,依頼内容のみならず,獲得目標も共有しておくことが大切なのです。

 

 そして,依頼の前には,見積(Quotation)を出してもらうようにしましょう。

 

 海外の弁護士の場合,多くの弁護士がタイムチャージ(Hourly Rate Charge)といって,1時間あたりいくらという時間制の報酬制度を採用しています。

 

 そのため,事前にその案件で弁護士がどの程度動く必要があるかがわからない場合,見積もりが出しにくかったりはします。

 

 ただ,依頼内容を限定して,「およその目安で良いのでお願いします」というと,大抵の場合は出してくれます。

 

 特に契約書の作成やレビュー業務の依頼の場合,交渉案件のように相手方がいないので,その弁護士自身の稼働で完結します。

 

 そのため,その弁護士がその件で動く時間を算出すればよいので,見積は出しやすくなります。

 

 ここで,最初にも述べたところですが,見積もり時には弁護士に依頼したいことを絞り込んで限定して伝えることをおすすめします。

 

 ざっくりと依頼内容を伝えてしまうと,中には,直接関係ないと思われる法令や判例を調べて,詳細なレポートを出してきて,それを作るのに使った時間をすべてチャージしてくるという海外弁護士もいます。

 

 そのため,どの範囲で業務をすれば良いのかを,きちんとこちらから限定して最初に伝えることが,弁護士費用を抑えるという意味でも必要です。

 

 つまり,言葉は悪いですが余計なことはさせないという意識も大切ということです。

 

 とはいえ,信頼関係も大切ですし,ある程度まとまった費用を払ってあげないと気持ちよく仕事をしてもらうことが難しいという面もあるのが現実です。

 

 過度にケチにならず,適正な業務をしてもらい,適正な報酬は払うという姿勢で依頼することが大切だと思います。

 

 弁護士業務も良くも悪くも「商売」という面があるため,ある程度の予算は確保して,適正料金を支払って良好な関係を作り,維持するという発想も大事だと思います。

 

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