英文契約書の相談・質問集206 訴訟されるのが怖いのはどういう場合ですか。

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「訴訟されるのが怖いのはどういう場合ですか。」というものがあります。

 

 金銭の支払いをめぐる交渉・紛争は,払わないのであれば訴訟を提起するという「脅し」文句が記載された内容証明郵便が届けられたことをきっかけに始まることが多いです。

 

 では,訴訟提起するという「脅し」はどういう場合に有効なのでしょうか。

 

 これが有効な場合というのは,要するに,訴訟を提起されると困る事情があるという場合です。

 

 訴訟されると困るので,「脅し」が有効となり,交渉に乗ってきて,最終的には和解にいたるということが可能になることが多いです。

 

 例えば,当然ではありますが,相手方が事業を継続している場合は,訴訟されると困ります。

 

 訴訟をされれば,訴訟対応をしなければなりませんから,時間や弁護士費用を奪われます。

 

 これは,経営に少なからず影響を与えることですから,できれば訴訟は回避したいと考えるでしょう。

 

 また,財産を把握されていれば,売掛金や銀行預金などを差し押さえされると,事業継続が困難になる可能性がありますので,訴訟は避けたいということになります。

 

 逆に,事業が事実上停止しているような状況であれば,裁判を起こされたところで,時間はたくさんありますし,財産を差し押さえられても構わないということになりますから,開き直られる可能性が高まります。

 

 他にも,上場していたり,事業の内容に照らしてが会社のレピュテーションが大切であったりという場合には,訴訟を嫌がる傾向にあります。

 

 もちろん,相手方にも言い分があるでしょうから,正当な反論をして争いたいということであれば,正々堂々と裁判を受けて立つということになるでしょう。

 

 ただ,相手方にとって訴訟を提起されたということ自体がレピュテーションダメージになるということも少なからずあります。

 

 このような場合,よほど,相手方に勝ち筋の言い分があるという場合で,判決を取って,そのことを明確にしたほうが利益になるという事情がない限りは,話し合いで穏便に解決したいと考えるでしょう。

 

 そのため,こういう場合も,訴訟提起を嫌がって,交渉が進むということがあります。

 

 逆に,会社の評判などどうでも良いというようないわゆる「ブラック企業」などは,訴訟を提起されることのレピュテーションダメージなど意に介さないことが多いので,「決着は裁判でつけましょう」ということになりやすいといえます。

 

 いくら自社ができれば交渉で解決したいと考えていても,相手がいることなので,相手が訴訟をされたら困るかどうかによって,裁判になるのか,交渉で解決できるのかがある程度決まってきてしまいます。

 

 もちろん,案件によっては,相手の姿勢にかかわらず,裁判をすべきということもあるのですが,特にビジネス上のトラブルでは,最終的には金銭的に解決できることも多いので,交渉を重視してスピーディに解決する道を模索するのが基本ということになります。

 

 そのため,実際に訴訟を提起する前に,相手方の立場に立って現実に訴訟を提起されることがどれほど困るかを考えてみて,交渉での解決の道にどれほどの可能性があるかを分析してみると良いかと思います。

 

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