英文契約書の相談・質問集222 販売店契約終了時の在庫処理はどう定めるべきですか。

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,販売店契約終了時の在庫処理はどう定めるべきですか。」というものがあります。

 

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)の場合,代理店契約(Agency Agreement)とは異なり,販売店(Distributor)が自ら商品を仕入れるため在庫を抱えます。

 

 

 そのため,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)が何らかの理由により終了する場合,終了時に販売店(Distributor)がまだ商品の在庫を持っていることがあります。

 

 

 英文契約書には,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)が終了すると,販売店(Distributor)は,メーカーの商標やロゴを使えなくなり,営業活動や商品の販売も禁止すると記載されていることが通常です。

 

 

 そうなると,販売店(Distributor)は,販売店契約の終了後は在庫を売ることが許されずに廃棄しなければならないということになってしまいます。

 

 

 もちろん,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を終了させる場合でも,販売店に債務不履行などの責められる事情があるケース以外は,一般的に,契約書では,突如契約解除できるとはされていません。

 

 

 普通は,解約や期間満了により終了させる場合は,一定期間の猶予をもって相手方に通知をすることになっています。

 

 

 そのため,販売店(Distributor)としてはその猶予期間内に在庫を売り切ることが求められているということになります。

 

 

 ただ,そのような猶予期間があっても,契約終了時までに売り切れずに在庫が残ってしまうことはあります。

 

 

 また,猶予期間が短い場合に販売店(Distributor)が売り切ろうとすると,在庫一掃セールなどをして,不当に廉価に販売し,現地での商品の販売価格が値崩れしたり,ブランド価値が落ちてしまったりしてメーカーに不利益が生じることがあります。

 

 

 したがって,販売店の利益のためだけではなく,このような事態を回避する必要があるメーカーの利益のためにも,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)終了時の在庫処理について英文契約書であらかじめ定めておいたほうが良いかと思います。

 

 

 具体的には,@メーカーが在庫を買い取る権利を規定する(ただし,買い取り義務はないとされることが大半です。),A販売店(Distributor)が在庫を一定期間販売し続けることができると契約書に定めることが多いです。

 

 

 @のメーカーが在庫を買い取る権利を定める場合には,いくらで買い取るのかも明確にしておいたほうが良いです。

 

 

 メーカーによる買い取りは,販売店(Distributor)に叩き売りなどされないように行うものであり,あくまでメーカーの「権利」として定められるのが通常です。



 そのため,この買取権をメーカーが行使すると,反対の立場にある販売店(Distributor)はメーカーに販売する「義務」を負います。

 

 

 したがって,いくらで買い取るのかも事前に契約書に書いておかないとトラブルの原因になります。

 

 

 A在庫の販売期間を定める条項は,新たな販売店(Distributor)との間で独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)を締結する場合に影響するので注意が必要です。

 

 

 契約終了後も一定期間,旧販売店が在庫を売っているので,新しい販売店は,その期間は独占販売権を得られないということになります。

 

 

 そのため,新しい販売店候補との交渉時に,きちんとそのことを説明して,その旧販売店の在庫販売は例外にするか,在庫販売期間の終了後に新たな独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)を締結しないといけません。

 

 

 もし,黙って独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)を結んでしまい,在庫販売期間中に旧販売店が在庫を売っていることが判明すると,新たな販売店が契約違反を主張して,メーカーが損害賠償請求などを受けることがありえます。

 

 

 以上のように,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)の終了時の在庫品の取り扱いについても,契約時に十分検討しておくことが大切です。

 

 

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