英文契約書の相談・質問集224 最低購入金額に未達の場合どうなりますか。

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「最低購入金額に未達の場合どうなりますか。」というものがあります。

 

 独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)を締結する場合,通常,最低購入数量/金額(Minimum Purchase Quantity/Amount)を定めます。

 

 

 例えば,販売店(Distributor)は,年間1,000万円超に相当する商品をサプライヤーから購入しなければならないなどと定めます。



 独占販売店契約の場合,サプライヤーは,契約期間中,指定された販売地域(territory)内で他の販売店を指名したり,自ら直接顧客に商品を販売したりすることが禁止されるので,その対価として一定数量は商品を購入してもらうと約束するのが一般的だからです。

 

 

 では,この最低購入数量/金額(Minimum Purchase Quantity/Amount)を販売店(Distributor)が達成できなかった場合,どのような効果が生じるのでしょうか。

 

 

 独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)に,未達の場合の効果が書かれていれば,それに従うことになります。

 

 

 普通は,@独占販売権が奪われ,非独占的販売店契約(Non-Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)に切り替わる,A契約を解除される,B差額の支払いを請求されるなどの制裁が定められます。

 

 

 問題は,契約書に違反の場合の制裁が書かれていないときです。

 

 

 最低購入数量/金額(Minimum Purchase Quantity/Amount)を法的拘束力のある義務として決めた場合,達成できなければ,販売店(Distributor)は契約違反・債務不履行をしたことになります。

 

 

 この場合,日本法では,契約違反をされたサプライヤーは,損害賠償請求と契約の解除ができることになります。

 

 

 この損害賠償請求として,実際の購入金額と最低購入数量/金額(Minimum Purchase Quantity/Amount)との差額(未達分)を支払うよう,販売店(Distributor)はサプライヤーから求められる可能性があります。

 

 

 これは販売店(Distributor)にとってはかなり厳しい要求でしょう。

 

 

 なぜなら,そもそも最低購入数量/金額(Minimum Purchase Quantity/Amount)を達成できなかった理由は,販売店(Distributor)がその商品を十分に売ることができず,本来想定した利益を得られていないことが多いからです。

 

 

 そのうえで,差額を賠償したり,最低購入数量/金額(Minimum Purchase Quantity/Amount)に達成するまで商品を追加購入したりしなければならないというのは,販売店(Distributor)とってかなり酷といえます。

 

 

 販売店(Distributor)としては,こうならないようにするためにはどうしたら良いでしょうか。

 

 

 それは,最初から英文契約書に未達の場合の効果・制裁を限定して記入しておくことです。

 

 

 上述した例でいえば,@とAだけを制裁で認め,Bを外しておくということになります。

 

 

 こうしておけば,わざわざ当事者が最低購入数量/金額(Minimum Purchase Quantity/Amount)に届かなかった場合の制裁を明記していますので,それ以外の制裁を認めない趣旨だろうと解釈されやすくなります。

 

 

 つまり,未達分の損害賠償請求を販売店(Distributor)が受けることを防げるということになります。

 

 

 以上のように,契約書に何か義務を記載する場合,それに違反した場合の効果も常に意識することが大切です。



 そして,義務に違反した場合の効果を記載していないと,法律が適用され,法律の内容により効果が決まることになるのが通常です。



 ところが,国際取引の場合,そもそもどこの国の法律が適用されるのかがケースバイケースであるということもあります。



 また,仮にどこの国の法律を適用するかを準拠法条項で契約書に定めていたとしても,相手の国の法律が準拠法になっていると,契約違反についてどのような制裁が待っているか,日本企業は事前に具体的に知らないということもありえます。



 そのため,契約書を作成・審査する際に,義務とともに効果をなるべく限定して記載し,何をしなければいけなくて,それに違反するとどういう制裁が課されるのかを明確にしておくことが大切です。



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