英文契約書の相談・質問集231 QuotationとEstimateの違いは何ですか。

 

 海外進出・海外展開をするときに必要になる英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「QuotationとEstimateの違いは何ですか。」というものがあります。

 

 QuotationもEstimateも,日本語に翻訳するときは,「見積もり」としていることが多いです。

 

 では,QuotationもEstimateも同じ意味なのでしょうか。

 

 厳密にいうと,この2つは意味合いが異なります。

 

 Quotationを使った場合,あくまで見積もりなので確定した金額(Price)とは違うのですが,かなり正確な金額という意味合いで使われます。

 

 他方,Estimateは,よりアバウトな金額を意味し,「概ねこの程度という予測」くらいの意味合いで使用されます。

 

 例えば,私が海外の弁護士を使用する際に,実際に業務を依頼する前に見積もりを出すようにお願いしますが,その際は,基本的にはQuotationという用語を使用します。

 

 その方がより実際支払う金額に近いという意味合いでやり取りができるからです。

 

 反対に,Estimateという用語を使用した場合,状況によって実際の支払金額はかなり異なる場合があることを許容するような意味合いが出てしまいます。

 

 上記で挙げた例の弁護士費用の場合,タイムチャージ(Hourly Charge=時間制報酬)となることが多く,弁護士が依頼案件に費やした時間に比例して弁護士費用が増加します。

 

 そして,案件にもよるのですが,どの程度時間がかかるかを事前に正確に予測するのは難しいものです。

 

 特に,紛争になった場合の交渉案件など,相手方がいる場合や,裁判になって裁判所が絡んでくる場合などは,クライアントが依頼した弁護士がすべてコントロールできるわけではないので,よりかかる時間の予測が困難になります。

 

 そのため,どうしても見積時間=見積金額と,実際に業務が行われた結果としての弁護士費用が乖離する場面が出てきます。

 

 その場合に,Quotationを出してもらっていれば,かなり金額に差が出た場合,多少クレームが言いやすいと言いますか,交渉がしやすいということはあるかもしれません。

 

 もっとも,契約する際に,実際にかかった時間でチャージされることは明記されていますから,あくまで,事実上交渉しやすい程度の意味です。

 

 要するに,弁護士費用の例については,Estimate程度の見積もりを依頼して,その後の業務の様子なども確認しないということはせず,きちんとなるべく正確な見積もりを出してもらい,その後もどの程度の費用がかかりそうかをチェックしていくという姿勢が大切だということです。

 

 もっとも,上記と矛盾するようですが,弁護士も人間ですから,あまり頻繁に業務状況を確認したり,費用をチェックしたりすると,気持ちよく仕事をしてもらえないという事情も一方であると思います。

 

 そのため,あまり疑心暗鬼になって疑っているような印象を弁護士に与えるようなことはないようにしたほうが良いでしょう。

 

 国際的に見ても,弁護士は法律で厳しく適正業務を行うように規制されていますので,一般的には不正などがなされる可能性は低いはずです。

 

 弁護士に任せっきりにして相場よりもかなり高額な費用を請求されることがないように注意する必要はありますが,他方できちんとした業務には適正な報酬を気持ちよく払うという姿勢を見せるというのもまた大切だということです。

 

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