英文契約書の相談・質問集238 会社ではない個人に代理店を依頼する場合の注意点は何ですか。

 

 海外進出・海外展開をするときに必要になる英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「会社ではない個人に代理店を依頼する場合の注意点は何ですか。」というものがあります。

 

 日本のメーカーが海外進出する際に,よく取る形態の一つとして,現地に代理店を指名して,代理店に自社商品を営業してもらうというものがあります。

 

 なお,ここでいう「代理店」は,代理店が自ら商品を買うことはなく,営業行為を行って顧客を探索してコミッションをもらうという事業者を想定しています。

 

 自ら商品を仕入れて販売展開していく「販売店」とは異なりますのでご注意下さい。

 

 この場合,代理店契約にはいくつかの形態があるのですが,場合によっては,企業(法人)ではなく個人に代理店業務を委託するということがあります。

 

 例えば,その人がフリーランスで特に企業に属しているわけではないが,自社が進出を検討しているマーケットで強力な人脈を有している場合に,この個人に営業を依頼したいと考えることがあります。

 

 また,その人がどこかの企業に属しているのだが,副業として営業活動をしたいという場合に,その個人に依頼するという場合もあります。

 

 後者の場合,その人が日本のメーカーに代わって営業活動をすること自体が,その人の所属している企業との雇用契約に違反しないかどうかは予め調査する必要があります。

 

 このような形態は,通常は,日本のメーカーと顧客との間の売買契約を代理して締結することまでは認めず,個人に営業だけ任せるということになるのが一般的です。

 

 これを,一般に,Sales Representative(セールスレプレゼンタティブ)と読んでいます。

 

 略して,セールスレップとか,単にレップとも呼ばれています。

 

 では,このように企業ではなく個人に営業行為を依頼する場合には,特別に注意すべき点があるでしょうか。

 

 まず,個人の場合,組織によって管理されている状態にないため,コンプライアンスに問題がある場合があります。

 

 ついつい個人の人脈に依存して,過度な接待などをしてしまい,犯罪である「贈賄」に該当する行為をしてしまうなどということが考えられます。

 

 ちなみに,ある行為をしてもらうために便益を提供する相手が公務員でなく一般の私人(例えば私企業の担当者や経営者)であっても贈賄罪が成立する国(例えばイギリス)もあるのでご注意下さい。

 

 企業の場合は,違法行為があると,大きなレピュテーションダメージなどに繋がるため,日頃からコンプライアンス研修などで従業員のコンプライアンス意識を高めていますが,個人ではこうはいきません。

 

 そのため,英文契約書にきちんと禁止行為を記載するとともに,禁止行為について詳細に説明しておくなどの対処が必要です。

 

 また,相手が個人ですと,上場企業のような公開情報などはあまりありませんので,評判や信頼性を調査するのが企業に比べて難しいです。

 

 そのため,メーカーとしては,事前に業界内の「噂」や評判のようなものを調査してみたり,SNSなどによる発信があるのであれば,その内容をチェックしてみたりなどの努力をすることが必要でしょう。

 

 さらに,その人の財務状況などを適切に把握するのが難しく,突然,連絡が取れなくなるというようなこともあります。

 

   セールスレップ契約で,顧客と売買が成約した場合に手数料(コミッション)を支払うというビジネスモデルであれば,特に個人に対し売掛を有して破綻されるというような財務上のリスクはありません。

 

 ところが,例えば,サプライヤーが個人のレップに対し,大きな機械のモデル機などを営業に使えるように渡しているというような場合は,レップが破産などすれば,返還を受けることが困難になり,事実上損失を被る可能性もあります。

 

 最後の注意点は,個人の場合,日本のメーカーが管理監督,指揮命令しているということになると,労働法などにより実質的にメーカーとの雇用契約があるとみなされるということもありえます。

 

 そのため,英文契約の内容を工夫したり,弁護士に相談したりする必要を生じます。

 

 以上のように,個人の場合は企業とは違うリスクが存在します。

 

 とはいえ,個人でもその業界に多大な影響力をもっている人はいますので,上記のような点に注意しながら上手く活用すると良いでしょう。

 

→next【英文契約書の相談・質問集239】販売店か代理店のどちらを指名すべきですか。

 

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