英文契約書の相談・質問集247 Credit noteとは何ですか。
英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「Credit noteとは何ですか。」というものがあります。
例えば,日本のメーカーが海外の企業を販売店(Distributor)として指名し,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を締結して,商品を輸出販売していたとします。
ところが,あるときに販売店(Distributor)に卸した一部の商品が不良品であることが判明しました。
そこで,販売店(Distributor)は不良品の返品を要求し,メーカーはこれを承諾しました。
返品を受けたメーカーは,その不良品の代金を販売店(Distributor)に返金しなければなりません。
ただ,販売店(Distributor)は今回たまたま不良品があっただけで,その他にこれまで問題があったこともなく,これからもメーカーの商品を取り扱いたいと考えています。
メーカーもその販売店(Distributor)と今後も取引を続けて行きたいと考えています。
この場合,不良品に相当する代金を返金したところで,送金手数料が無駄になったり,為替レートの影響で場合によって損をするだけです。
そのため,このような場合は,返金はせずに,Credit noteという書類をメーカーが発行して,次回の発注の際にそのCredit noteに記載された代金を減額してもらうという方法が取られることがあります。
相殺処理のようなもので,これにより,返金の手間や無駄をなくすことができます。
信頼関係があれば,このような方法で処理するほうがお互いにメリットがありますので,このような方法が取られることがあります。
以上がCredit noteについての解説です。
似たようなことは,欠陥品があったときの商品の交換でも行われることがあります。
販売店が受領した商品の一部に欠陥があった場合,メーカー代品を納入することがありますが,小ロットの代品を輸送するとコストがかさみます。
そのため,販売店と合意しておき,欠陥品の代品は次回発注時に次回発注品と一緒に発送するとしておくのです。
こうすることで商品の輸送コストの無駄を省くことができます。もちろん,販売店には,商品の到着が遅れるという不利益がありますので,販売店と合意の上で行う必要があります。
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