Referral(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Referralがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「紹介」という意味で使用されます。
Referralは,人材紹介に関する契約書などでよく登場します。
紹介に関するビジネスでは,手数料の発生根拠と計算方法などに関する条項が重要になります。
また,人材紹介でよく問題になるのは,Referralで採用した人材が,すぐに辞めてしまったときに,支払った報酬の返金をどうするかついてです。
通常,契約書に返金の条件や期間などが書かれています。
よく揉めるのは,辞めることになった原因です。
一般的には,採用した会社の都合により退職した場合は報酬の返金はされないものの,紹介した人材の都合により退職した場合は報酬金の一部が返金されると規定されています。
会社の都合で辞めさせたのなら,紹介会社の紹介には問題がなかったと考え,紹介した人材の都合で退職したのなら,それは紹介会社の紹介に問題があったと考えて,このような規程になります。
具体的にいくら返金するかについては,紹介した人材の都合によりいつ辞めたのかで区分けされていることが多いです。
例えば,就職後1ヶ月以内に辞めた場合は◯%返金,3ヶ月以内なら◯%,6ヶ月以内なら◯%というような具合です。
ただ,会社都合なのか,自己都合なのかは,実際にはそう簡単に分けられるものでもなく,事情があって形式的に会社都合になっているけれども,実際の理由は自己都合であるということも現実には存在します。
こういう場合には,返金すべきかどうかで紛争になることがあります。