英文契約書の相談・質問集351 中国語と英語で契約書を作成し中国語優先としても良いですか。
英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「中国語と英語で契約書を作成し中国語優先としても良いですか。」というものがあります。
中国の会社と取引する際,登録手続きが必要になる合弁契約やライセンス契約などを除けば,中国語以外の言語で契約書を作成することができます。
そのため,日本企業としては,相手の母国語である中国語ではなく,日本語か,英語で契約書を作成したいと考えるのが通常です。
ところが,中国企業が中文契約書にしてほしいとか,英語と中国語併記にして両者の内容が矛盾するときは中国語を優先するとしたいと主張してくることがあります。
中国語に長けた人間が社内にいるなどの事情がない限り,基本的にはこれは避けたほうが良いです。
日本語で契約することが無理でも,せめて英語で契約書を作成したほうが良いです。
相手の母国語にしてしまうと,契約書の内容を巡って対立が起きたときに,中国語を母国語としていないこちらの主張がどうしても不利になりやすいからです。
また,中文契約書や中国語優先の契約書にしてしまうと,それに絡んで準拠法や裁判管轄なども中国を主張されやすくなるというデメリットもあります。
これを,どちらの母国語でもない中立な英文契約書にして,準拠法も当事者国ではない第三国の法律とし,紛争解決も第三国で行うとすれば,フェアな内容ですので,相手も強硬に拒否しづらくなります。
このように,中文契約書や中国語優先の契約書は,準拠法や紛争解決地の規定にも影響を与えることがありますので,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際には注意が必要です。
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