英文契約書の相談・質問集287 口頭でも問題なく契約は成立しますよね。

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「口頭でも問題なく契約は成立しますよね。」というものがあります。

 

 

 日本も,私が留学していた英国も含め,多くの国では,一部の例外を除いて契約は書面ではなく口頭でも有効に成立します。

 

 

 では,わざわざ契約書のような書面にしなくても口頭の合意で十分なのでしょうか。

 

 

 結論としては,口頭での合意は非常に危険です。

 

 

 まず,当たり前ですが,言った言わないの世界になりやすいです。こうなると何を合意したのかが証明できなくなってしまいます。

 

 

 では,録音や録画があれば合意の存在と内容を証明できるので問題ないのでしょうか。

 

 

 もちろん,何もないよりは録音や録画があったほうが良いですが,書面に比べて証明力は弱いと考えるべきでしょう。

 

 

 録音や録画は編集が容易で,一部だけを切り取られている可能性があります。

 

 

 その合意意外に条件を合意していないのか,脅されていっているだけではないか,その話題をしていないときの言動なのではないかなどいろいろな反論が思いつきます。

 

 

 また,仮に言動としては何らかの約束をしていたとしても,それは,あくまで交渉過程での発言で,最終的に法的拘束力を持たせても良いという結論としての約束であるのかというのもわからないことがあります。

 

 

 交渉は一定期間何度もやり取りが繰り返されるため,その日の言動をもって必ずしも最終的な合意内容だということはできないからです。



 例えば,1月5日に合意した内容を撤回して,1月14日には全く別の内容で合意がされていても,14日の記録がなかったり破棄されていたりすれば,まるで5日の交渉内容が最終合意のように見えてしまいます。

 

 

 また,英米法には,Parol Evidence Rule(口頭証拠排除法則/原則)(パロール・エビデンス・ルール)というものがあり,最終的に契約書のような書面を交わすと,それまでの口頭やメールなどによる合意はすべて排除されるという法則/原則があります。

 

 

 さらに,英米法が適用されない場合でも,英文契約書には通常Entire Agreement(完全合意)条項が挿入されているため,これにより,契約書締結以前の口頭合意の効力が排斥されることにもなります。

 

 

 つまり,最終的に契約書のような書面を締結するとそれまでの口頭での約束は意味がなくなってしまうのです。

 

 

 口頭での約束はこのような弱い意味合いしか持たないのが契約実務だといえるのです。

 

 

 したがって,口頭でも契約は成立するというのは正しいですが,だからといって,契約は口頭ですれば足りるというのは現実的には誤りだということがおわかり頂けると思います。

 

 

 合意は,きちんと書面にして締結することを心がけるようにしましょう。


 

 以上のように,書面でなされた合意には,@どういう内容の合意をしたのかという合意内容を証明し,かつ,Aその合意内容が当事者が合意した約束事の最終形であることを示す役割があるのです。

 

 

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