Hearsay(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Hearsayがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「伝聞証拠」という意味で使用されます。
伝聞証拠とは,もともとの意味からすると,伝え聞いた証拠ということです。
つまり,Aさんの証言がオリジナルだとした場合に,Aさんから直接証言を聞いたのではなく,Bさんから「Aさんがこう言っていた」と聞いたときのBさんの証言「伝聞証拠」(Hearsay)というわけです。
ただ,法的にはもう少し広い意味でこの「伝聞証拠」(Hearsay)が使われます。
日本の民事訴訟では,簡単にいうと,直接反対尋問ができない証拠のことを伝聞証拠と読んでいると考えて良いかと思います。
先程の例も,Aさんが本当にそう言ったかどうかを反対尋問で確かめたくても,Bさんに反対尋問したところで,Aさんがオリジナルの証拠であるにもかかわらず,Aさんに対して直接反対尋問できませんので,Bさんの証言は伝聞証拠にあたります。
ほかにも,ビデオの録画映像なども伝聞証拠になります。ビデオの映像に直接反対尋問できないからです。
これらのHearsay(伝聞証拠)については,特に刑事事件で,証拠調べ手続に一定のルールがあることがあります。
英文契約書でよく登場する用語というわけではないですが,国際取引においてトラブルなどが起こった場合に,このHearsay(伝聞証拠)という用語が登場することがありますので,知っておくと良いでしょう。