英文契約書の相談・質問集301 販売店が相殺を主張してくる場合どう対処すべきですか。

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「販売店が相殺を主張してくる場合どう対処すべきですか。」というものがあります。

 

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を締結して,日本企業が海外に販売店(Distributor)を指名して商品を販売展開しているときに,例えば,商品に欠陥(Deficiency/Defect)があったとして,販売店(Distributor)が損害賠償請求と相殺(Set-off)を主張してくるということがあります。

 

 

 こうなると,サプライヤーとしては,商品の欠陥が客観的に存在するかもわからない状況で,代金の支払いを受けられないということになってしまいます。

 

 

 このような場合,どのように対処すべきでしょうか。

 

 

 相殺については,各国の法律が要件を規定しているのが通常です。日本法でも,相殺をするためには「相殺適状」という状態にならなければならず,相殺適状の要件を法律で定めています。

 

 

 そのため,まずは契約書の準拠法を見て,準拠法に従うと相殺ができる状態なのかをチェックし,相殺の要件を充たしていないのであれば,そのように反論していくことになるでしょう。

 

 

 これに対し,もし相殺適状にあって販売店(Distributor)が相殺できる状態にあるのであれば,相殺の可否ではなく,商品に欠陥があるか否かで争うしかないでしょう。

 

 

 こちらの場合,相手は欠陥を主張しているので,サプライヤーが欠陥の存在を否定しても,簡単に販売店(Distributor)は認めず,解決に時間がかかることになるでしょう。

 

 

 販売店(Distributor)が納得しない限り,代金が払われない可能性があり,これではサプライヤーの資金繰りに影響が出てしまいます。

 

 

 これらの問題を解決するために,予め契約書に相殺の禁止条項を入れておくことが良い場合があります。

 

 

 相殺を禁止しておけば,仮に販売店(Distributor)が商品に欠陥があると信じ,サプライヤーに対して損害賠償請求ができると判断しても,それと商品の代金を相殺することはできず,一旦は代金を払う必要があります。

 

 

 その上で,改めて商品の欠陥についての賠償責任を問うということになります。

 

 

 これにより,サプライヤーとしては,資金繰りに影響を受けることなく,ある程度時間をかけて欠陥の有無を調査することが可能になります。

 

 

 もっとも,これは販売店(Distributor)が相殺主張をするという仮定での理屈の話であり,現実には相殺禁止条項があっても,欠陥がある場合,商品の売買の個別契約の解除などを主張し,代金支払いを拒絶するということはあります。

 

 

 そのため,相殺禁止条項が機能する場面はそれほど多くはないでしょうが,上記のような問題もあるということは理解されておいても良いかと思います。

 

 

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