英文契約書の相談・質問集302 輸出入に許認可が必要な場合の注意点はありますか。
英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「輸出入に許認可が必要な場合の注意点はありますか。」というものがあります。
当局の許認可が必要になる場合は,化粧品の輸出入や医療機器の輸出入などが多いかと思います。
例えば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を締結し,サプライヤーが商品を販売店(Distributor)に販売する際に,当局から輸出入の許可の取得が必要となる場合に,どのような点に注意すべきかというのがこのテーマです。
このような場合,基本的には,①どちらの当事者が許認可を取得するのか,②許認可取得にかかる費用はどちらの当事者が負担するのか,③許認可取得の手続きはどちらの当事者が行うのか,などについて事前に契約書で取り決めておくべきでしょう。
①と②は一致することが多いでしょう。費用を負担したほうが許認可の名義人になるということが通常かと思います。
許認可を販売店(Distributor)が取得した場合,サプライヤーとしては契約終了時にその許認可をどうするのかについても販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)で定めておくべきです。
独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)などで,契約が終了した際,サプライヤーは他の販売店(Distributor)を指名しようとした場合,許認可を新しい販売店(Distributor)に承継させたいと考えるでしょう。
これがスムーズにできるように,許認可の譲渡(無償なのか有償なのかも含め)について契約書で定めておくことがあります。
販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)が終了した場合,旧販売店は新販売店に対し許認可を譲渡しなければならないなどと定めることになります。
もちろん,法律により譲渡が簡単にできないこともあると思いますので,この点も事前の調査対象になります。
販売店(Distributor)としては,許認可を自社で取得しておけば,サプライヤーの都合による販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)の終了を牽制する武器として使えることがあります。
逆に,サプライヤーとしては,契約終了時に販売店に交渉の武器として許認可を使われないように,可能であれば最初から自社でコストを負担してでも許認可を取得しておくなどの対策が必要かもしれません。
許認可は,取得の困難制などにより,契約終了時のトラブル発生に大きな影響を与えることがあるので,注意が必要です。
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