英文契約書の相談・質問集306 「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」の違いは何ですか。

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「『直ちに』『速やかに』『遅滞なく』の違いは何ですか。」というものがあります。

 

 これらは,契約書では,例えば,検査(Inspection/test)などを「直ちに」しなければならないとか,何らかの通知を「速やかに」しなければならないなどとしてよく登場します。

 

 英語では,それぞれ,immediately,promptly,without delayとされることが多いかと思います。

 

 これらの用語が実際にどれくらいの期間を表すのかは,一義的に明らかではありません。

 

 というのは,何を求められているかによって,それぞれが表す期間は変わってくるため,一概にこの程度だと決めることは難しいからです。

 

 例えば,速やかに検査を終えると書かれていた場合でも,少量の商品を外から見てチェックするというだけの検査の場合と,大きな精密機械で動作テストまでするなどの検査の場合とで,「速やかに」の意味が変わってくるわけです。

 

 一般に,日本では,「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」の順に即時性が求められると言われます。

 

 そのため,「直ちに」が最も早く,「遅滞なく」が最も遅いということになります。

 

 これは英語のほうもニュアンスとして同じと考えて良いかと思います。

 

 もっとも,上述のとおり,これらの表現では,明確にいつまでにしなければ契約違反になるとはっきりした基準を提示していません。

 

 そのため,記載できるときは,これらの表現を使うより,具体的に◯日以内などと一義的に期間が定める表現をしたほうが無難でしょう。

 

 具体的な日時がそこまで重要ではなく,ある程度バッファがあっても問題ない場合には,これらの表現を用いても問題ないかと思います。

 

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