英文契約書の相談・質問集320 契約書とウィーン売買条約と準拠法とではどれが優先するのですか。

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「契約書とウィーン売買条約と準拠法とではどれが優先するのですか。」というものがあります。

 

 まず,ウィーン売買条約(国際物品売買契約に関する国際連合条約)(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods)(CISG)が適用される場合を説明します。

 

 

 当事者が属する国が両国ともウィーン売買条約に加盟していれば,ウィーン売買条約が適用されます。これは当然といえば当然ですので,わかりやすいかと思います。

 

 

 また,当事者が所属する国の一方だけが加盟していた場合でも,その加盟国の法律が準拠法となるときはウィーン売買条約が適用されます。



 例えば,英文契約書に日本法が準拠法となると書かれていたり,法の適用に関する通則法で日本法が準拠法として判断される場合,日本はウィーン売買条約加盟国ですので,相手方の国が加盟国でなくてもウィーン売買条約が適用されることになります。



 では,ウィーン売買条約が適用されるとなった場合に,@契約書の内容,Aウィーン売買条約の内容,B準拠法(日本法)の内容はどのような優先関係になるのでしょうか。



 まず,ウィーン売買条約は当事者の合意により全部または一部適用を排除できます。



 そのため,当事者の合意で作られた契約書が最も優先すると考えられます。



 契約書でウィーン売買条約と矛盾する内容を取り決めておけば,ウィーン売買条約が適用されても,契約書での合意内容が優先されるということになります。



 明確な合意だけではなく,いわゆる商慣習のようなものも当事者間で確立していればこちらも合意同様最も優先されます。



 次に,ウィーン売買条約と日本法の優劣については,ウィーン売買条約が優先します。



 これは,英文契約書に「本契約は日本法により解釈し日本法に準拠するものとする」という準拠法(Governing Law)条項があっても同じです。



 あくまで上記のように抽象的に日本法を準拠法とすると契約書に記載しただけでは,ウィーン売買条約と日本法の内容が矛盾した場合,ウィーン売買条約が適用されることになります。



 ただし,契約書に日本法を準拠法とし,ウィーン売買条約を全部排除すると記載したり,ウィーン売買条約の具体的な条項の適用を排除すると記載したりすれば,日本法が優先することになります。



 まとめると,優先順位は@契約書(合意・慣習)→Aウィーン売買条約→B日本法の順番となります。



 そのため,日本法を準拠法にし,何かあった場合には日本法を適用して解決を図りたいのであれば,Aを排除しておく必要があります。


 

 このことを知らずに準拠法を日本法としておくだけで日本法が適用されると考えていたところ,思わぬところでウィーン売買条約が適用され自社に不利益な解釈となったということがないように注意が必要です。

 

 

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