イランの法制度

 

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 日本企業が販売代理店(Distributor)を指名してイランに進出する際,以下のようなイランの法制度に注意したほうが良いでしょう。

 

 

 販売店(代理店)保護法

 

 中東諸国には,いわゆる販売店(代理店)保護法として独自に販売店や代理店を保護するために制定された法律があることも多いのですが,イランにはこの種の法律は存在していません。

 

 

 そのため,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)の契約期間を定めつつ,終了に関してサプライヤーがよく挿入する傾向にある


@中途解約条項,


A債務不履行解除条項,


B契約期間の満了による終了条項(更新拒絶条項)


なども,基本的には契約書に定めたとおりに効果が得られると考えて良いかと思います。



 また,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)では,契約終了を理由に,販売店(Distributor)がサプライヤーに対して補償金などの支払いを要求してくることがありますが,この類の請求は認められない旨を契約書に記載することも多いですが,この点に関してもこれを禁止するような法律の内容はないと考えて良いでしょう。

 

 

 登録制度

 

 イランには,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を当局に登録しなければならないという制度があります。



 そのため,当局への登録が原因で,旧販売店との契約を解消して新販売店との契約に移行するのが困難になるなどの事情も存在しえます。



 もっとも,イランの登録制度においては,販売店が当局に登録したことにより,販売店契約の終了について販売店が保護されるなどの制度はないため,登録そのものによる販売店の保護があるということではありません。

 

 

 言語


 販売店契約書(Distribution/Distributorship Agreement)の言語を特に制限する法律はないので,英文で契約書を作成することが可能です。


 

 準拠法・紛争解決


 イランでは,販売店契約に関し準拠法をイラン法にしなければならないという規制はないため,外国法を準拠法とすることも可能です。



 なお,イランで日本の裁判所の判決を強制執行するのは困難と考えられます。



 イランニューヨーク条約加盟国です。



 そのため,日本企業とイランの企業との間の販売店契約の場合,紛争解決については,強制執行の便宜を考え,裁判ではなく仲裁(Arbitration)を選択することが多いです。


 

 ただし,イランの裁判所は,外国の判決または仲裁判断を「公の秩序」を理由に拒絶することが可能とされていますので,注意が必要です。



 以上が,日本企業がイラン企業を販売店として指名し同国に進出を考える際に最低限知っておいたほうがよい法制度の概要です。

 

 

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