Impede(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Impedeがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「妨げる/遅らせる」という意味で使用されます。
例えば,impede compliance with the delivery date(納期に従うことを妨げる=納期遅延になるような)というように英文契約書に登場します。
納期や工期は,守って欲しい側にとっては非常に重要な意味を持っています。
もっとも,海外取引では,例えば商品の売買を考えると,輸送距離が長くなるため様々なアクシデントが起きる可能性があるため,売主は簡単には納期を約束したがらないという事情があります。
そのため,納期ではなくて,「引渡予想日」(estimated delivery date)のように,確約ではないという表記がされることも多いです。
いずれにしても,約束の期日というのは重要なテーマですので,お互いの当事者がそれを法的拘束力のあるものと考えているかどうかについて認識のずれがあっては大変です。
こうした認識のずれを避けるために,契約書には予め期日の法的な意味(拘束力があるのかそれとも単なる予測にすぎないのか)を明記し,いざ期日に遅延するようなことがあったときに,期日の合意の法的意味について論争が起きないようにしなければなりません。
その際に,このimpedeという用語が納期に関連して使用されることがあるので,理解しておきましょう。