英文契約書の相談・質問集330 途上国や新興国の零細事業者が紛争相手の場合の注意点は?

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「途上国や新興国の零細事業者が紛争相手の場合の注意点は?」というものがあります。

 

 例えば,日本のメーカーが海外で代理店を指名し,現地国で自社商品を代理店に営業・宣伝してもらっていたとします。

 

 これを何らかの事情で解約するというようなときに,代理店が不満を抱いて,補償金を請求してきたり,解約の効果は認められないと主張してきたり,法的トラブルに発展することがあります。

 

 このような場合に,相手方が発展途上国や新興国に属する零細企業や個人事業主であったりしたときは,特別な注意点なはあるのでしょうかというのが今回のテーマです。

 

 あくまで一般論ではありますが,このようなケースでは,相手方が「なりふり構わない」手法で徹底的に日本企業を追い込んでくるということが傾向としてあります。

 

 例えば,法外な損害賠償請求を前提に訴訟をすると脅してきたり,実際に簡単に訴訟を提起したり,業界内にメーカーに関する虚偽の評判を流したり,公務員を利用しようとしたり,刑事手続きを利用したりというような行為が挙げられます。

 

 私の経験でも「偽弁護士」が登場して,私のクライアントがその国で商売できないようにしてやるというような脅しをされたこともあります。

 

 もちろん一概に言えませんが,一般的にいわゆる先進国の大手企業であれば,かなりビジネスライクなので,法的に勝つ見込みのない主張はあまりしてきませんし,訴訟なども採算が合わないと行いません。

 

 相手を攻撃するような行為をすると自分に返ってくるということもあるので,虚偽の評判を流したりすることもまれです。

 

 ところが,零細事業者や個人事業主になると,契約を切られることが死活問題になったり,感情が全面に出たりするため,かなり「乱暴な」行為に出ることがままあるのです。

 

 こういう場合,日本企業としては,事態を早く収束しないと大変なことになると感じて追い込まれてしまい,相手の言いなりのような条件で金銭を支払い和解をしてしまうこともあります。

 

 ただ,このようなことをしてしまうと,少し脅すと簡単に金銭を支払う企業だとの「噂」が広まり,次々と被害に遭う可能性も否定できません。

 

 また,合理性のない和解をしてしまうと,税務上損金算入が認められず課税されてしまうおそれもあります。

 

 そのため,不当と思われる要求については拒否をして,あくまで経済合理性や法的判断として適切な範囲内で和解を試みる必要があります。

 

 こうしたことを行うためには,自社のリソースだけでは難しいですから,現地の専門弁護士に依頼し,「嫌がらせ」とも思える行為に対し,どのように対処すべきか適宜相談しながら進めるのが賢明です。

 

 相手の主張は法的にとおる可能性があるのか,脅しのような行為に対してはどのような対策が有効なのか,具体的に相談しながら対応しましょう。

 

 そして,最終的に和解するにしても,税務対策の観点からも,どのように弁護士と協議してその結論に至ったかをきちんと証拠を持って説明できるようにしておくとよいでしょう。

 

→【英文契約書の相談・質問集331】代理店契約でコミッションの発生時期はいつにすべきですか。

 

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