英文契約書の相談・質問集336 英文契約でトラブルになるパターンはありますか。

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「英文契約でトラブルになるパターンはありますか。」というものがあります。

 

 英文契約に限らないのですが,契約に絡んでトラブルになるパターンは大雑把に分けると,2つのパターンに分けられます。

 

 1つ目は,そもそも契約書に書いていないためにトラブルになるというパターンです。

 

 当たり前なのですが,当事者が事前に話し合って決めておくべき内容を契約書で決めておかないと,後でトラブルになる可能性が高まります。

 

 例えば,業務委託契約(Service Agreement)などで,受託者が業務で使う費用を委託者と受託者のどちらがどこまで負担するのかという問題について契約書に記載していないと,後で問題になります。

 

 受託者が業務に必要だと判断して,飛行機を利用して現場に赴いたと言うような場合に,フライト代や宿泊費用をどちらが負担するのかを定めておかないと,揉め事の種になります。

 

 さらには,例えば,委託者が負担すると記載があったとしても,どこまで負担するのかを書いていないとこれもトラブルのもとになります。

 

 受託者が飛行機でファーストクラスを利用したり,ファイブスターのホテルを利用したりしたときに,どこまでが委託者の負担なのかがわからなくなるからです。

 

 契約書に書いていない内容は,適用される法律で判断することになりますが,特に国際取引の場合は,そもそも適用される法律がどこの国のものなのかも明らかではないこともあります。

 

 そのため,トラブルになりそうなことは事前に取り決めをして契約書に規定しておくというのが出発点となります。

 

 2つ目のパターンは,契約書に記載はあるものの,当事者の理解に不一致があるというパターンです。

 

 このパターンはさらに2つのパターンに細分化して考えることができます。

 

 まず,書かれている内容があいまいだったり,複数の解釈が可能な表現であったりすることにより,各当事者の契約内容の解釈が異なってトラブルになるというのが最初のパターンです。

 

 規定された内容が誰が読んでも一義的に明らかであり,同じ内容で解釈できるのであればこの問題は生じないのですが,中には内容について複数の解釈ができる場合があります。

 

 こうなると,各当事者は自分に有利な解釈内容を主張しますから,トラブルが生じることになります。

 

 次は,書かれている内容の解釈は一義的に決まるのですが,当事者の考え方に違いがあるというパターンです。

 

 例えば,「契約違反をした場合,損害賠償の予定額として金5,000万円を支払う」というペナルティの規定があったとします。

 

 この5,000万円が高いか安いかは,契約違反をする当事者の財務力や,契約違反をあえてすることで得られる利益などの相関関係により決まってきます。

 

 そのため,契約違反をしてほしくない当事者にとっては,相手方が契約違反をしないための抑止力のために規定したつもりでも,相手方にとっては5,000万円を払ってあえて契約違反をしたほうが儲かるという考えが成り立ちうるのです。

 

 要するにこの規定は,一方の当事者にとっては契約違反を防止する意味があるのに対し,他方の当事者にとっては契約違反を促進する意味があるということになっているのです。

 

 こうなると,各当事者によって規定の意味付けが異なってくるので,それぞれの考えどおりにいかず,トラブルが生じることになります。

 

 このケースは,契約違反を行おうとする当事者は,契約違反をするという意味では,契約を破ることになるわけですが,契約違反後の損害賠償の予定額を支払うつもりがあるという点では契約に従っていることになります。

 

 このように,当事者の考えや状況によって契約はすべてを守るのが当然,契約を守ったほうが自社の利益になるとは限りませんので,注意が必要です。

 

 以上が,契約をめぐるトラブルを大きくパターン分けした解説になります。

 

 こうしたパターンがあることを知りつつ,トラブルを回避するように,決めるべきことは決め,あいまいな表現は避け,相手の立場に立って相手の考えを盛り込んで契約書を作成することが大切になってきます。

 

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