英文契約書の相談・質問集339 裁判すれば取引先の倒産時に優先回収できますか。

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「裁判すれば取引先の倒産時に優先回収できますか。」というものがあります。

 

 

 たまに誤解されている経営者の方もいらっしゃるので,裁判すれば取引先が倒産したときに優先的に債権回収ができるのかというテーマについて解説したいと思います。

 

 

 結論からいうと,優先回収はできません。他の一般の債権と同じ扱いを受けます。

 

 

 例えば,訴訟で勝訴した判決があるという状況で取引先に破産手続きが開始されたという場合や,訴訟をしている最中に取引先が破産したというような場合を考えてみます。

 

 

 このような場合,訴訟で勝ってみても,単にその債権が法的に存在することが認められたというだけであって,その債権については他の債権者よりも優先して支払ってもらえるということは意味しません。

 

 

 あくまで,判決はその債権の存在を認めてくれるというだけであり,その債権が他の債権よりも優先して回収できるという権利まで与えてくれるものではないからです。

 

 

 そのため,例えば不動産に対して抵当権をもっていたり,一定の財産に譲渡担保権を設定していたりという事情がない限りは,他の一般債権者と同じ順位で取り扱われるということになります。

 

 

 判決があったとしても通常の売掛金などは一般の破産債権となるので,税金や取引先従業員の給与など優先的に払われるものに対して支払いがなされて,残った財団から配当を受けるという流れになってしまいます。

 

 

 つまり,せっかく弁護士費用などをかけて裁判をして,勝利をしたとしても,相手が破産してしまった場合は,現実の回収は難しく,わずかばかりの配当に預かることができるだけということになってしまうのです。

 

 

 こうした事情があるので,取引先が売掛金を払ってくれないという場合に「けしからんので裁判だ」と安易に決断しないほうが良いでしょう。

 

 

 売掛金を期日までに払わないという場合は,財務状況に問題があることが考えられます。

 

 

 その場合に,訴訟をしてみても,訴訟中に破産などされてしまえばあまり意味がないということになってしまいます。

 

 

 もちろん,配当がかなり見込めて,かつ,相手が債権の存在を争っているような場合は,裁判で結論を得ることに意味はありますが,こうした事情がないなら裁判はあまり意味がないということになるでしょう。

 

 

 以上述べたとおり,残念ながら裁判はお金のない人や企業に対して有効な対策にはありませんので,どれだけ与信しても大丈夫か,慎重に吟味して取引をすることを基本にしましょう。

 

 

 くれぐれも払わなければ裁判をすれば良いなどと安易に考えないようにおすすめしています。

 

 

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