英文契約書の相談・質問集315 NNN契約とは何ですか。

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英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「NNN契約とは何ですか。」というものがあります。

NNN契約とは,もちろん俗称ですが,一般に次の3つの頭文字であるNを3つ並べてNNN契約と呼んでいます。

すなわち,Non-Disclosure(非開示),Non-Circumvention(迂回禁止),Non-Competition(競業禁止)の3つのNです。なお,3つ目のNは,Non-Use(目的外使用禁止)とされることが多いと考えますが,その狙いは,開示された情報を使って類似品や競合品を製造・販売されることを防ぐ点にありますので,ここではNon-Competition(競業禁止)として説明します。

一般に,正式な取引に至る前に,当事者の秘密情報をやり取りする場合,Non-Disclosure Agreement(NDA)やConfidentiality Agreement(CA)が締結されます。

これらは,言うまでもないですが,開示当事者が受領当事者に開示する秘密情報について,受領当事者が秘密として管理し,これを第三者に開示したり漏洩したりすることを禁止し,秘密情報の目的外使用も禁止することが主眼にあります。

もっとも,場合によっては,上記の守秘義務を課しただけでは足りず,他にも禁止事項を設けるべきということがあります。

その例が,Non-Circumvention(迂回禁止)やNon-Competition(競業禁止)の条項になります。

Non-Circumvention(迂回禁止)というのは,開示当事者が受領当事者と交渉をする中で,自社の取引先等の情報を開示することがありますが,これらの情報を受領当事者が利用して,開示当事者を飛び越えて直接取引先等にコンタクトするというような行為を禁止するものです。

もし受領当事者が開示当事者の取引先等に直接コンタクトすることを許してしまうと,その後の開示当事者と受領当事者のビジネスの成否に影響を与えますし,何より開示当事者に重大な不利益が生じる危険があるため,このような規定を入れることがあるのです。

また,Non-Competition(競業禁止)については,開示当事者が受領当事者に対し,自社が開発した製品の情報などを開示することになった際に,その情報を受領当事者が利用して類似品や競合品を勝手に製造してしまうことを禁止するものです。

これをされてしまうと,開示当事者は大きな不利益を被ることになるため,このような行為もNon-Disclosure(非開示)の規定と独立させて禁止する規定を入れることがあります。

もちろん,NDAの内容によっては,Non-Circumvention(迂回禁止)やNon-Competition(競業禁止)条項をあえて明記しなくとも,もともとNDAの内容の解釈により,これらの行為が禁止されていると考えられることもあると思います。

迂回行為は第三者に対する秘密情報の開示や秘密情報の目的外使用に該当したり,競業禁止行為は秘密情報の目的外使用(不正使用)に該当したりする可能性があるからです。

ただ,相手企業の性質や相手国の性質によっては,きちんとNon-Disclosure(非開示),Non-Circumvention(迂回禁止),Non-Competition(競業禁止)の3つを明記しておいたほうがベターなことがありますので,このような規定を入れることがあります。

このような契約書を通常のNDAとは区別してNNN契約と呼ぶことがありますので,覚えておくと良いかと思います。

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執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

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