今回は,企業間取引において債権を第三者に移転させる際に締結される「Assignment Agreement(債権譲渡契約)」について解説いたします。

 

1. 債権譲渡契約とは

 債権譲渡(Assignment)とは,譲渡人(Assignor)が有する特定の債権を,その同一性を保持したまま譲受人(Assignee)に移転させる契約を指します。

 

 英文契約の実務においては,売掛金(Accounts Receivable)の回収を第三者に委託する場合や,企業買収(M&A)に伴い契約上の地位や権利を承継させる場合などに頻繁に活用されます。

 

2. 債権譲渡契約の主要な条項

 英文の債権譲渡契約において,特に実務上重要となる条項は以下の通りです。

 

(1) Definition of Assigned Rights(譲渡対象権利の特定) どの債権を譲渡するのかを明確に定義する必要があります。既存の債権だけでなく,将来発生する債権(Future Rights)を含める場合には,その範囲を正確に記述することが不可欠です。

 

(2) Notice to Debtor(債務者への通知) 債権譲渡を債務者(Debtor)に対抗するためには,債務者への通知が必要です。英文契約では,譲渡人が債務者に対して「Notice of Assignment」を送付する義務を負うことや,その通知のフォーマットをあらかじめ合意しておくことが一般的です。

 

(3) Representations and Warranties(表明保証) 譲渡人は譲受人に対し,譲渡対象となる債権が有効に存在していること,二重譲渡がなされていないこと,および当該債権に質権などの担保権が設定されていないことなどを保証します。

 

(4) Covenants(遵守事項) 譲渡後,万が一債務者が誤って譲渡人に支払いを行ってしまった場合に,譲渡人がその資金を直ちに譲受人に引き渡す義務(Turnover obligation)などを定めます。

 

3. 実務上の留意点

 債権譲渡を検討する際,最も注意すべきは「譲渡制限条項(Anti-assignment clause)」の有無です。

 

 元の取引契約(Original Agreement)において,「相手方の事前の書面による同意なく,本契約上の権利を譲渡してはならない」という規定がある場合,これを無視して譲渡を行うと契約違反となり,譲渡自体が無効とされるリスクがあります。

 

 また,準拠法(Governing Law)の選択も重要です。債権譲渡の有効性や対抗要件は,譲渡契約の準拠法だけでなく,元の債権が発生した契約の準拠法や,債務者の所在地の法律も関係するため,国際的な取引では複雑な法的検討を要します。

 

 以上,Assignment Agreementの基本事項について解説いたしました。債権譲渡は資金調達や組織再編において強力なツールとなりますが,法的な落とし穴も多いため,契約書の作成にあたっては専門家によるリーガルチェックを受けることを強く推奨いたします。

 

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